「まぁ結果論なので」じつは田中碧と町田浩樹が、中村敬斗を生かす「工夫」を…ただそれが日本代表の課題でもあるワケ〈オーストラリア戦深層〉
オーストラリアに先制を許したものの、1-1の引き分けに持ち込んだ日本代表。“じつは後半に利いていた”田中碧、フランスで5試合連続ゴールもプレータイムが限られる中村敬斗……深層と課題を現地取材したミムラユウスケ氏が考察する。〈全2回の第2回〉 【写真】「田中碧18歳と久保15歳…カワイイ」「ケイト、14歳頃もカッコいい…伊東純也とも久保とも仲良しハグ」“あの女性アイドル”もウットリ…三笘もキレキレなナンバー撮影写真を全部見る
オーストラリアのゴール期待値は「0.01」…なぜ苦戦?
第1回で触れた中村敬斗が――オウンゴールではあったが――目に見える結果をたぐりよせたのだとしたら、そこに至るまでの道筋を必死で作ろうとしたのが田中碧だった。 最終予選に入ってからも、そして日本代表が〈3-4-3〉システムを採用してからも初先発した彼が、オーストリア戦で光明を見出したことには、きっと意味がある。 1-1の引き分けに終わったオーストラリア戦がどんなゲームだったのかを簡単に振り返ろう。 この試合、様々な興味深いデータがある。 スペインメディアによればこれまでW杯予選は延べ8500試合以上行なわれてきたが、両チームが1本ずつオウンゴールを記録して1-1のドローに終わったのは、歴史上初めてだという。さらにオーストラリアについて見ていくと、こんなデータが出た。 シュート:前半7分の1本だけ 流れの中からのシュート:なし 流れの中からのクロス:後半の2本だけ ゴール期待値(xG):0.01 「xG」とは、その試合で放ったシュートがどれだけの質だったのかを表す、ゴール期待値のこと。それがなんと0.01だった。失点したとはいえ、“100試合やって1回しか決められない”守備を日本は見せていた。失点シーン前の町田浩樹のパスを受けた鈴木彩艶のフィードにいたるまでの流れには議論の余地が大いにあるが――あれは言ってみれば攻撃の不用意な一手だ。 つまり、守備ではなく攻撃で問題を抱えていたのが、この試合の日本だった。 では、どこに問題があったか。 ピッチで起きた現象をもとに考察すると、オーストラリアの策にハマってしまったポイント、自分たちでハードルを上げて苦しんだポイントがそれぞれ2つあった。 〈日本がハマってしまったオーストラリアの策〉 1:日本のDFラインには自由にボールを持たれても良い 2:サイドの守備で中に行かせるのを避け、縦方向へ突破されるのは良い 〈日本が自らハードルを上げてしまったポイント〉 3:ポゼッションにこだわりすぎた 4:1対1に固執しすぎた
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