血便は「大腸がん」のサイン!? 考えられる病気・大腸カメラの重要性も医師が解説!
大腸カメラの重要性
編集部: 大腸カメラで、そのまま病変を切除できるのはすごいですね。 川原先生: ただ、全ての病変がその場で切除できるというわけではなく、出血が多くなるリスクのある場合や切除する病変のサイズが大きい場合は入院することもあります。そうした場合を除くと、検査中にそのまま切除できると考えてかまいません。基本的には入院の必要もなく、検査中に切除し、その日のうちに歩いて帰宅することができます。 編集部: それは知りませんでした。 川原先生: 繰り返しになりますが、大腸がんが進行してしまった場合は、入院して全身麻酔の開腹手術を受けなければ切除できなくなってしまいます。そうなると、身体的な負担だけでなく、経済的負担や時間的負担も大幅に増えてしまいます。 編集部: 大腸カメラを受けることが重要なのですね。 川原先生: そう思います。大腸がんは、早期に発見すれば90%近くが完治するがんであるにもかかわらず、初期には症状がほとんどないため、検査で見つけるしかありません。血便に気づいた日とはもちろん、そうでない人も定期的に大腸カメラを受けてほしいと思います。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 川原先生: 大腸カメラは「恥ずかしい」「痛そう」「時間がない」などで、つい後回しにしてしまう人も多いと思います。しかし、日本の内視鏡の技術は世界一と言われており、安心・安全に受けることができると思います。大腸がんは早期発見が非常に大事なので、気になる症状があればぜひ大腸カメラを検討してくださいね。
編集部まとめ
血便が出た際の対処法や大腸カメラの重要性などについて解説していただきました。血便が出た際には、軽視せずに早めに医療機関で検査を受けることが大切で、特に大腸カメラは大腸がんなどの早期発見のために非常に重要とのことでした。「恥ずかしい」「痛そう」などで躊躇している人も、まずは一度検査を受けてみてはいかがでしょうか。 [この記事は、メディカルドック医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
監修医師:
川原 洋輔 先生(和光市駅前かわはら内視鏡・消化器内科クリニック) 東邦大学医学部卒業。その後、東京慈恵会医科大学内視鏡学講座に入局、東京慈恵会医科大学葛飾医療センター内視鏡部診療医長などを務める。2023年、埼玉県和光市に「和光市駅前かわはら内視鏡・消化器内科クリニック」を開院。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員・関東地方会評議員、日本消化器病学会専門医、日本内科学会認定医。