プーチン大統領が発表「ロシア経済が日本を抜いた」データの「ヤバいカラクリ」
指標の選び方次第で変わる
ただし、筆者から見れば政治での低順位が問題であり、女性の国会議員が相対的に少ないことに帰着する。これは、民主主義による投票結果であり、政府の努力ではいかんともしがたい。経済でも民間経済を前提とする以上、政府ができることには限界がある。 いずれにしても、作成主体の考え方次第で大きく変動するのが世界ランキングだ。その順位に一喜一憂、右往左往するのではなく、高くと比較して、自国の観点から見て足りない点があれば、改善する程度の参考指標である。 いわんや、それを具体的な数値目標として扱うのはいささか問題であろう。特に、大学の国際比較ランキングや国際競争力ランキングなどは、指標の選び方次第ともいえる面が大きく、「悪用」について筆者は常に懸念している。
髙橋 洋一(経済学者)