【40代、50代・上手に怒ってストレス減!】怒りを鎮めるとっさの7つの「対症療法」
怒りが込み上げてきたとき、あなたならどうするだろうか? 怒りをそのまま爆発させて、後悔したことはないだろうか? 無駄に怒りに振り回されず心穏やかに過ごすために、まず実践したいことを、アンガーマネジメントコンサルタント・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんに伺った。
怒りを感じたときにはこれを実践!
「思わずカッとして怒りを爆発させてしまうことは誰にでもあるでしょう。我慢することは正解ではありません。怒りそのものは大切なものを守るために必要な感情だからです」(安藤さん) しかしながら、その怒りに任せていると、人間関係やキャリアに支障をきたすことがある。なにより、怒りの感情に振り回されていては、自分自身がストレスフルになり、穏やかに生活することができない。 「怒りの感情と上手に付き合うことは、アレルギー症状の対策と似ています。アレルギーを軽くするためには、体質改善が必要だと言われていますが、それには時間がかかります。ですからその前に、即効性のある対症療法も必要です」 つまり、対症療法とはカッとなったときの怒りの衝動を回避する方法だ。それには7つのアイデアがあるというのだ。それをひとつずつ見ていこう。
《対症療法1:ゆっくり深呼吸しながら6秒数える》 イラッとしたときに、反射的に「ちょっと! なによ!」と怒りをぶつけていないだろうか? 「私が推奨しているひとつめは、ゆっくりと1、2、3、と数えて6秒待つことです。それは6秒あると理性が働き出すといわれているからです。その前に反射的な言動をとると、相手が驚くだけでなく、自分自身の怒りが増幅していきます」 その6秒の時間を稼いで心を落ち着かせるには、深呼吸も有効だと安藤さん。 「まずはゆっくり3秒かけて吐いてください。次に3秒かけて吸います。これで6秒になりますね。これをゆっくり数回繰り返すとさらに効果的です。とにかく何も考えず、呼吸だけに意識を集中して行います」 《対症療法2:目の前のものをじっくり観察する》 「怒りの感情が湧きそうになったら、“今ある目の前”に意識を集中させます。つまり怒りとは関係のないことに意識を向けて、怒りから目をそらすわけです。 この手法をグラウンディングといいます。グラウンドは地面の意味で、それに現在進行形のingをつけたものです。つまり『今、この場所のことだけを考える』ということです。瞑想がこれに当たりますが、すぐにその状態に持っていくのは難しいので、まずは目の前にあるものをひたすら観察します」 例えば、自分の手をじっと見つめて、手のシワや爪の形を観察してみるなど。手に持っているスマホ、壁に飾ってあるポスター、テーブルに置いてある花など、観察するものはなんでもOKだ。 《対症療法3:未来や過去ではなく“今”だけに意識を向ける》 「先のことや過去のことを考えると、怒りの感情は大きくなる性質があります。例えば、先のことに考えを巡らして前向きな解決策が浮かぶのならいいのですが、ともすると復讐を考えるようになります。 過去を考えると、以前にも似たことがあったという思いが浮かんできて、より怒りの感情が増幅します。 これもグラウンディングの手法のひとつで、怒りと関係のないことに意識をそらせる方法です」 《対症療法4:自分の動作を実況中継する》 「現在に意識を集中させて時間を稼ぐのにもうひとつ有効なのが、自分の動作を実況中継することです。日常生活の中のなんでもない動作を実況してみるのです。 例えば、『おっと、きゅうりをまな板にのせた。どうもこれを輪切りにするようです』など、料理の手順を実況してみるなどでOK! せっかく気合を入れて料理を作っているのに、『帰りが遅くなるので夕飯はいらない』という家族からの連絡。そんなときのモヤモヤした気持ちもやり過ごすことができるかもしれません(笑)」 《対症療法5:怒りをレベルで評価する》 「イラッとしたら、その怒りのレベルを数値化してみましょう。まず、過去の感情を元に10段階で表してみます。 こうすることで、怒りを客観的に見られるようになり、レベル別の対策が取りやすくなります。そして自分の怒りの傾向、どんなときに怒りを感じるのか? また今まで抑え込んでいた感情にも気づくことができます」