サントリー初の男性向けスキンケアブランドが中高年に大ヒット、“リモート時代”で見た目気にするシニア世代が急増
■「本当に成功するのか?」社内からは懐疑的な声も、サンプルで役員&銀座ママを虜に
市場にないカテゴリーの商品、かつサントリー初の男性向けスキンケアブランドがゆえ、社内からは『本当に成功するのか?』という懐疑的な声もあった。西山さんは、使ってもらえさえすれば、売れる自信があった。そこで“10日間チャレンジ”として、役員・経営層を始め、営業チームに積極的にサンプルを配布。すると思惑通り、実際に使用感や効果を実感してもらってからは、話が早かったという。 販促についても、「普通に広告を出すよりも、とにかく多くの人々に試していただき、その結果を口コミで広げていただく」という作戦をとった。 「かねてからサントリーがお付き合いのある銀座などのクラブのママさんは、お客様にお土産を渡す文化があると聞きました。そこでVARONをギフトボックスにして渡してもらいました。すると好評だったようで、ママさんから追加を頼まれることも多く、中には100個も買ってくださった方もいました」 他にも、会食の際には営業がギフトボックスを徹底して配るなどして、じわじわと口コミを広げていった。結果、発売1年目は当初の目標を3倍上回る売上10億円を達成、2年目も販売計画を上方修正し、30億円を突破している。 「『使っているうちに肌がもちもちしてきた』『しっとり感を感じた』というお声をたくさんいただきました。さらには『妻に気づいてもらえた』『職場の後輩から顔色が明るくなったと言われた』『孫が触って気持ち良いと言ってくれた』など、ご自身だけでなく、周りの人から褒められたという喜びのお声はたくさん届いています」 サントリーウエルネスは、シニア世代を中心に通販を行ってきたことから、主に電話を活用してユーザーとコミュニケーションを取り続けている。そこでVARONを使用しての体感や気づきを聞き取り、丁寧なサポートも行っている。 昨年12月には、ユーザーから「無香料を出してほしい」との声を受け、無香性の「アンセンテッド」を開発。6月には、VARONシリーズから洗顔フォームとニオイケアの石鹸も発売した。ブランド発足当初から、ユーザーの声に真摯に耳を傾け、それを商品に反映させる姿勢を徹底している。これも、後発ながら好調を維持している大きなポイントの一つかもしれない。 「スキンケアに慣れていないお客様もいて、中にはメガネの上から塗ってしまった方や、スプレーのように直接顔にかけられた方もいらっしゃいました。我々が予想しないようなお客様の反応もありますので、その中で丁寧にサポートさせていただいています」