海外勢が日本株「5兆円以上売り越し」の衝撃…日経平均5カ月ぶり4万円回復の裏に潜むリスク
27日の日経平均株価は、5カ月ぶりに4万円台を回復。前日比713円10銭値上がりし、終値は4万281円16銭だった。株価が上昇した理由は「円安」だ。 【写真】投資の神様 ウォーレン・バフェット 海外市場では前日、7月中旬以来約5カ月ぶりの安値となる1ドル=158円台まで円が下落。東京市場でも158円近くまで円が売られた。 兜町関係者からは「2025年は、株価4万5000円」と強気の声が飛んでいる。 しかし、はたして楽観していていいのかどうか。外国人投資家が、日本株を売っているからだ。 海外投資家は2024年の初めから12月第3週までに、現物と先物を合わせて5兆円以上「売り越し」ているという。2023年は約6兆円の「買い越し」だった。日経新聞(27日付)は、<海外勢、日本株熱に陰り>と報じている。海外勢にとって、もはや日本株は魅力的な投資先ではないということだ。 海外勢の「売り」は、企業の自社株買いが吸収している。「事業法人」は年初から7兆8000億円の「買い越し」となっている。 ヤバイのは、2025年も外国人投資家の「売り」がつづく恐れがあることだ。 「海外勢が日本株を売っている理由のひとつが、中国市場への回帰です。ここ数年、欧州マネーを中心に中国株を売り、日本株に投資するという動きがありました。それが再び、日本株を売って、中国株を買う動きがでています。もうひとつは、日米市場の落差です。平均株価が3万3000円台だった年初は、まだ日本株は“割安”という評価もありました。しかし、4万円を超えると、上昇の余地も小さく、めぼしい銘柄もない。だったら、上昇をつづけている米国株に投資した方が得策という判断です。そして大きいのは、為替リスクです。外国市場に投資する時のセオリーは、通貨の強い国に投資するということです。外国人投資家からすると、円安が進むとそれだけで“為替損”が生じてしまう。こうした状況は、2025年もつづく可能性があります」(経済評論家・斎藤満氏) 企業の「自社株買い」も、いつまでもつづかないだろう。「株価4万5000円だ」と浮かれていると、やけどを負う恐れがあるということだ。