「古いとか新しいとか関係ないです。中森明菜は」 「2024年の復活劇」で明菜ちゃんがファンに与えた衝撃ーー今年はたくさんの歌声と元気な姿を披露してくれた
「ゆっくりになってしまうと思いますが、歩き出していきたいと思いますので、どうか見守っていただけると嬉しいです」 という一文に、焦らずゆっくり待とう、と思った人も多かったことだろう。幾度となくトラブルや体調不良で活動休止を余儀なくされてきた中森明菜。SNSでも「明菜ちゃんが元気ならそれでいい」といったコメントをいくつも見かけた。姿を見るのは先でもいい、これまでも待ったのだから、ゆっくり待つ、と。 ■「中森明菜 オールタイムリクエスト」に本人降臨
中森明菜のデビューは1982年。「花の82年組」と言われたアイドル豊作時期の中、高い歌唱力とドラマ性を漂わせ、一躍大スターとなった。 ただ、彼女自身から野心はあまり感じなかった。それよりも、周りを喜ばせるため、類稀なるセンスと才能、ストイックな姿勢で取り組むことで、自然と時代のトップを走っていた、という雰囲気だった。 歌の中に純愛のきらめきを練りこんだかのような『スローモーション』『セカンド・ラブ』『トワイライト -夕暮れ便り-』。自立心のある、けれど寂しがりやの少女が浮かんでくる『少女A』や『十戒』。
19歳のときに井上陽水とタッグを組んだ『飾りじゃないのよ涙は』は、少女から大人になる瞬間のエネルギーと憤りがほとばしっていた。 玉置浩二『サザン・ウィンド』、佐藤隆『AL-MAUJ』、元C-C-Bの関口誠人『二人静ー天河伝説殺人事件』など、個性あふれるミュージシャンとのタッグ曲は、続けて聴くと、旅をしているような気分になる。 オリジナル楽曲の他に、1994年から続いたカバーアルバム「歌姫」シリーズも、本家とはまた違う、哀愁の濃度多めの異世界に誘われるような名歌唱だらけだ。
好きな曲を挙げろと言われても、両手でも足りない。多くの人の心それぞれに、大事な明菜の歌がある――。 嬉しいことに、12月15日、それら名曲を、なんと中森明菜本人といっしょに、シャワーのように浴びる番組が放送された。昨年、音声出演でファンを喜ばせた「中森明菜 オールタイムリクエスト」。そこに今年は明菜がパーソナリティで出演をしたのである。 番組には1万件近くのリクエストが集まり、ニッポン放送が集計したリクエストのランキング1位は『スローモーション』、2位『少女A』、3位『DESIRE-情熱-』。とはいえ、SNSのコメントを見ても、リクエスト曲が散らばったこと、老若男女、特に80年代の彼女の活躍を知らない若い世代からも、コアなリクエストがあったことは容易に想像できた。