元小学校教員が経験した“過酷すぎる”夏。冷房20℃でも教室が「サウナのよう」に暑い理由
夏真っ盛りですね。子どもたちは夏休みを楽しんでいる頃でしょう。 今回は、私が小学校で働いていた頃の、夏に関するエピソードをいくつか紹介します。夏の学校で、教員が注意していることや夏ならではの苦労もまとめました。みなさんも、自分が小学生だった頃を思い出して、あるいはお子さんの学校のことを思い浮かべながら読んでみてください。
教室内はサウナのように暑い
水泳学習が始まる6月末頃から、気温が上昇し始めますが、教室内の熱気も上昇します。冷房はついているのですが、狭い教室に40人近くの子どもたちが入って過ごしているため、ほとんど機能していないんです…6年生の39人学級を担任した年は本当に大変でした。冷房の設定温度を20℃まで下げているのに、全く涼しくない。フィルター掃除をすると、少しはましになります。もちろん、やるのは担任ですよ。 ロッカーの上にのぼって、怖い思いをしながら…私は2週間に一度フィルター掃除をしていましたが、それでもなぐさめ程度。これで、「集中して勉強しましょう!」は無理な話です。10月末までこんな調子で、子どもたちも、暑い中本当によくがんばって勉強しています。
体育の授業は熱中症対策で、ほとんど運動の時間がとれない
暑い夏でも、体育の授業はあります。私が働いていた小学校は体育館が新しく、冷房も設置されていましたので、体育館での体育は天国だったのですが、校庭での体育はかなりつらかったです。 運動量が多い単元は真夏には行いません。しかし、運動量の少ない単元でも、外にいるだけで汗が止まらないし、子どもたちが持っている水筒もすぐに空になってしまいます。 熱中症指数測定器もすぐにアラートがなってしまい、体育を中断せざるを得ません。そのため、子どもたちの運動時間は少なくなってしまいますし、先生たちは涼しい体育館の取り合いでした。
水泳指導はとっても大変。前日から憂鬱だった
子どもたちはプールの時間が大好きですが、水泳指導を行うのは大変です。企画・運営する側の体育担当はもちろん、担任、級外(担任をもたない教員)も、全員で水泳指導を行わなければなりません。 まず、水量や水温の管理が大変です。 水を一晩出しっぱなしにして30万円無駄になったというニュースもありました。確認不足の学校も悪いですが、息つく暇もない業務の中で水の管理は本当に骨が折れますよ。 大勢が水の中に入るわけですから、通常の体育の授業よりさらに気を張って指導する必要があります。安全を確保するため、水泳指導に入る教員の人数も決められています。 そのため、級外の教員が水泳指導にヘルプで入ります。一日中水の中にいる級外教員もいました。子どもたちも水泳学習が終わるとぐったりです。 水泳学習のあとはみんな疲れ果てているので授業にならないですしね…ということで、水泳指導がある日は、前日からちょっと乗り気じゃありませんでした。