【高校サッカー選手権】日大三戦の生かされた教訓 堀越が3-0で修徳に完封勝利
10月26日、第103回全国高校サッカー選手権東京予選2次予選のBブロック準々決勝4試合が清瀬内山Bで行われ、昨年の同大会Bブロック決勝戦と同カードとなった堀越と修徳の一戦は、3-0で堀越が勝ち、準決勝へコマを進めた。 【フォトギャラリー】堀越 vs 修徳 堀越は前半9分、この試合初めてのCKのチャンス。キッカーMF10三鴨奏太(2年)の放ったボールをDF13森章博(3年)が頭で合わせて先制。さらに22分、同じくCKのチャンスで今度はMF22杉村充樹(2年)が押し込んだ。勢いに乗る堀越は33分にも右サイド深くに進入したDF13森のクロスが折り返しのクロスをMF18小泉翔汰(3年)がゴール中央に落としたところにFW11高橋李来(2年)が詰め、3点目を決め、試合の主導権を握った。 このままでは終われない修徳は後半開始とともに4人の選手の入れ替えを敢行。立ち上がりは攻勢をかけ、相手陣内深く迫ろうとした。しかし堀越の前を向かせない守備、起点をつぶす守備になかなか攻撃の糸口をつかめずにいた。 それでも修徳は後半16分、ドリブルで進入したMF6髙島陸 (3年)が放ったシュートは惜しくもポストに直撃。直後の17分にはMF15岩田雅輝(3年)が強烈なシュートを放ったが、堀越GK1佐藤晴翔(3年)のセーブに阻まれるなど、惜しいシーンを見せたがあとひとつ届かなかった。 修徳の攻勢がひと段落した終盤、堀越は追加点を狙うべく、攻めに転じた。なかでもMF18 小泉が左サイドから何度も崩すなど、攻撃の手を緩めず、そのまま終了。堀越、3-0の完封勝利となった。 3点中、2点がCK。しかも前半早い時間帯で取れたことで堀越は有利にゲームを進めた。キッカーとして2得点に関与したMF10三鴨は「セットプレーの練習ではなかなか合わなかったので、練習でも見たことないような狙い通りの得点でした」と喜んだ。 首尾よく2得点を挙げた堀越。その徹底ぶりを感じたのはそのあと。 多くのチームでは前半を3-0で折り返すと、点差を考慮し、無理に攻めに出ないもの。しかし堀越は後半、前半以上に攻めの姿勢を見せた。それは2次予選2回戦・日大三戦の教訓があったからだ。この試合、1‐1の同点で迎えた後半40分、堀越が失点。後半アディショナルタイムで追いつき、延長戦を制したものの、終盤の失点から土壇場の同点までの4分間は恐怖そのものだったそうだ。 だからこそ繰り返してはいけない。 MF10三鴨は「(日大三戦で味わった)すべてが終わるかもしれないという、あの4分間の緊張感が生かされましたし、(修徳戦までの)1週間、あの怖さがありました。だから、いまのスコアが何点でもやることはブレません。また、やりたいことではなく、やるべきことをしっかり突き詰める。これはどんなスコアでも変わりません」と話せば、MF18小泉は「ハーフタイムでは『0ー0の気持ちで行こう』『後半、相手は絶対に来るので攻撃で押し返そう』という声がありました。(攻撃を)緩めると守備優先になり、相手に押し込まれてしまうので攻めの姿勢は変えませんでした」と語った。 一方、守備についてDF13 森は「前回の試合で2失点しているので、絶対にゼロにしようと話し合いました。守備でキッチリできたこと、失点しなかったことが勝因でした」と語った。加えて、MF10三鴨も「(日大三戦では)DFラインは不安感がありましたが、しっかり競り勝ってくれました。きょうのようなプレーをしてくれれば、負けることはないです」と自信を語るとともに「前半、完璧に近い内容だっただけに後半で、替わった選手も含めて、もっとギアをあげないといけないでのまだまだです」と反省を口にした。 堀越の徹底ぶり、そして抜け目なさには佐藤実監督の指導、そしてピッチ上の指揮官、主将・竹内利樹人(3年)の存在がある。残念ながら、竹内は怪我のため離脱中だが、チームへの進言は欠かさない。竹内に代わって、キャプテンマークを巻くDF13 森は「戦術面は竹内と話し合って決めるなか、試合中、自分が発信しないといけない。(キャプテンマークを)着けていないときより、ずっと責任感が増します」とその重みを感じながら、ピッチに立った。そこには竹内のためにもという思いがあったはずだ。 ベスト4に勝ち上がった堀越は11月10日、日大豊山とファイナル進出にむけ、戦う。 (文・写真=佐藤亮太)