子どもが生まれ「時短勤務」を申請したら降格に?「マタハラ」に該当するケース・対処法を解説
子どもが生まれるとライフスタイルなども変わるため、時短勤務を申請して一時的に働き方などを変える人も少なくありません。 これは、法律でも認められている働き方であり、残業なども免除されています。しかし、会社によっては降格処分を言い渡されることがあります。時短勤務を申請したことで降格をさせられるのは問題にならないのでしょうか。 本記事では、時短勤務を理由として降格処分をするのは、ハラスメントに該当しないかなどを解説するので参考にしてください。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
子どもが生まれて時短勤務を希望したことを理由に降格はできない
子どもが生まれて時短勤務を希望する人は多いですが、この時短勤務を理由として降格処分をするのはマタハラ(マタニティハラスメント)に該当します。 男女雇用機会均等法等では、違法な不利益取扱いの事由が決められていますが、その中には短時間勤務も含まれています。事業主は労働者が家庭と仕事を両立できるように、働き方などの考慮が求められます。 マタハラに該当する事由としては、ほかにも妊娠・出産・育休などを理由とした解雇・雇い止め・降格などさまざまなものがあります。事業主はマタハラに該当する違法な不利益取扱いをおこなった場合、法律違反として行政指導や事業主名の公表などがされます。 このような事態を避けるためにも、事業主はマタハラに該当しないよう、従業員が安心して仕事と育児を両立できるようなサポートをすることが大切です。
妊娠・出産・育休等を理由とした取扱いのすべてがマタハラに該当するわけでない
ただし、妊娠・出産・育休等を理由とした取り扱いのすべてのケースがマタハラに該当するわけではありません。例外に該当する理由として大きいのは、業務上の必要性が不利益の取り扱いの影響を上回る特段の事情がある場合です。特段の事情とは「経営状況の悪化が理由」、「本人の能力不足が原因である場合」などです。 どちらの理由でも客観的に見て十分に事業主が努力したかが重要なポイントとなります。不十分と判断されると後から大きな問題やトラブルにつながるかもしれません。本人の能力不足を理由とする場合も、何度も改善する機会を与えている証明が必要です。 ただし、このようなケースに該当することはあまり多くなく、会社としては、一般的にはマタハラに該当しないよう努力をしなければなりません。 ほかに例外に該当する、本人と一般労働者が同意する合理的な理由が客観的に存在する場合でも、不利益取扱いによって起きる影響についての適切な説明が必要です。原則として妊娠・出産・育児休業などの事由から1年以内に不利益取扱いがあれば、例外に該当しないなら違法と判断される可能性が高いといえます。
【関連記事】
- ◆子どものお迎えで「残業」ができません。上司には「みんな残業してるんだから」と言われますが、どうすれば良いのでしょうか? 断るのもかなり気を遣います…
- ◆「産休前に全部使ったでしょ?」育休復帰時に有給は「0日」だと言われました。これって違法ではないですか? 子どもの体調不良もあるので、有給がないと困ります…
- ◆契約社員ですが、ボーナスは一律「3万円」です。正社員は「3ヶ月分」なのに不公平ではないですか? 仕事内容は同じです
- ◆【実録】半年で使用した有給は「36日」! 休みすぎて退職に追い込まれた過酷な育児の実態と、「異次元の少子化対策」に期待すること
- ◆お昼休みは「電話番」をしながらお弁当。これって休憩時間として「アリ」ですか? 給与は発生しないのでしょうか?