「夢グループ」の石田重廣社長が母校・東北高で創立130周年記念講演「何でも一生懸命やる学校であり続けてください」
通信販売会社「夢グループ」の石田重廣社長(66)がこのほど、母校の宮城・東北高で創立130周年記念講演を行った。福島市出身でプロ野球選手を目指して進学。名将・竹田利秋監督(83、現国学院大野球部総監督)の下で1年秋からレギュラーとなったが、直後に野球部員以外の不祥事により無期限の対外試合禁止に。わずか7か月の在籍で退学した母校で思い出を語った。 多くの在校生やOB、OGが集まった東北高の体育館で、石田社長が高校時代の思い出を披露した。 「初めて見た野球部のグラウンドが、すごくきれいだったんです。1年生から3年生まで全員で整備していると聞きました。この学校はいいな、と」。下級生が雑用をするのが当たり前だった時代に、公平な待遇が新鮮だった。だから今でも、自身が経営する会社では社員全員で掃除を行っているという。 甲子園の夢を諦めて退学し、福島県内の高校を卒業。19歳で上京し、アルバイトした東京・池袋の中華料理店は「福島なまりが強い」と言われ3日でクビになった。「その後も1か月で3社クビになりました。でもね、なまりがあると『どこ出身なの?』と話が深まるんですよ。日本中で東北高の名前を知っている人は多いはず。出身校から話が弾むし友達も増えますよ」。ピンチをチャンスに変える前向き志向を勧めた。 5月にプロ野球・楽天の始球式で登板した際には、投球直前にグループ所属の演歌歌手・保科有里(62)から、CMでお決まりの「安くして~」と声援が飛んでズッこけた逸話で爆笑を誘った。花束贈呈の在校生から「とても明るくて、おじいちゃんに欲しいと思いました」と言われ、会場は再び笑いに包まれた。 講演の最後には野球部のユニホームがプレゼントされた。50年ぶりに袖を通し「僕は野球部を辞めて高校も辞めたことを、ずっと悔やんでいました。50年たって夢がかなった。何でも一生懸命やるのが東北高校。そういう学校であり続けてください」と力強く締めくくった。 (岩崎 敦)
報知新聞社