避難が縁、輪島住民招待 13日の「北國街道野々市の市」 子ども太鼓が共演 鵠巣地区から60人参加
野々市市の旧北國街道を歩行者天国とする「北國街道野々市の市」の実行委員会は、13日に開催する今年の市(北國新聞社後援)に能登半島地震で同市に2次避難していた輪島市鵠巣(こうのす)地区の住民60人を招待する。当日はイベントで野々市の子どもたちと輪島の小中高生らの太鼓共演も実現。豪雨の二重被災で大変な中、たった一日でも楽しんでもらい、復興の励みにつなげる。 【写真】野々市市の「ののっ子太鼓小嵐」 ●「復興の励みに」 元日の地震発生から15日後、鵠巣地区の住民116人が野々市市の公共施設2カ所に入り、最後の1世帯が退出する7月5日まで避難生活を送った。 避難を縁に、野々市市本町地区町会連合会は8月17日、鵠巣地区大野町町会に義援金50万円を届けた。義援金を持参したメンバーの中に「野々市の市」の実行委役員がおり、市への招待を打診した。 この際、野々市の子ども太鼓チーム「ののっこ太鼓小嵐(こらん)」がイベントに出演することを知った輪島市農業委員会会長の田上正男さん(79)が、鵠巣地区の小中高生を中心とした「輪島高洲太鼓」との共演を提案。日程調整の結果、友情出演が決まった。 住民から参加者を募ったところ、高洲太鼓のメンバーと保護者を含め60人が応募した。輪島から野々市までの送迎については、いしかわ県民文化振興基金の「被災者の文化鑑賞支援事業」を活用し、バスで送迎する手はずを整えた。 「野々市の市」では、ゆるキャラの大集合やフラメンコ披露、弁慶の力石コンテストなどのイベントが行われる。 田上さんは「豪雨の追い打ちで沈んだ気持ちを少しでも忘れ、野々市の皆さんとの再会を楽しみたい」と話した。野々市市本町地区町会連合会の垣坂太佳盛(たかもり)会長(67)は「できる支援を今後も続けていく」と述べた。