はやぶさ2の状況は? JAXA会見(全文4完)間違いなく地球に戻す
ノウハウをどう引き継いでいくのか
秋山:フリーランスの秋山と申します。大島さんと益田さんにお伺いしたいんですけれども、「はやぶさ」のときからの探査機運用の、先ほど例えば手順書といったものも、ものすごく膨大な量を着実に作成してこられたというお話がありましたけれども、そのやり方、人に属するノウハウだと思うんですけれども、それを残してこられた努力と、これから将来の探査に向けて引き継いでいく努力というのはどういったところにあるのかという点をお伺いできればと思います。簡単には難しいかと思うんですけども、すいません、お願いいたします。 大島:初号機は実験機だったこともありと言うとあれですけど、「はやぶさ2」になってからはしっかりと準備するようになって、人に依存してっていうお話がありましたけれど、どちらかというと運用計画書という、こういう運用するんだというところを定めた文書をしっかり作り込むことによって、それを見れば、あとからプロジェクトに入った人もそれを見ながらちゃんと手順書を作れるとか、そういったところが「はやぶさ2」で、初号機に比べるとかなりやり込んだところかなと思います。これは今後のプロジェクトにもつながってくるのかなと思います。 益田:ちょっと大島と重なる部分もあるんですけど、やはり計画をしっかり、ある意味、当たり前のことではあるんですけど、計画をしっかり作って、それを引き継ぐ形で、実際、運用訓練の始まる段階、小惑星に着く1年前ぐらいから入ってきたメンバーってかなりいるんですけれども、そういった方たちにも運用計画書という形で、こういうことをするんだよというのをしっかり意識統一ができて、そういった中で作業していくということがしっかりできたおかげで携われる人を増やすことができて、きちっとスケジュールをクリアできたというふうに考えています。それは非常に良かったことかなと思っています。 やっぱりこういうやり方、しっかり計画を作ってやる、ある意味当たり前のことをしっかりやっていくことであったり、あるいは先ほどちょっと申し上げた変更のプロセスを、きちっと検証するプロセスをしっかり構築して、そのスケジュールをきちっと確保するといったところをきっちりと次回以降にも生かしていくということが必要なのかなと思っています。