<神木隆之介>「海に眠るダイヤモンド」最終回の見どころ語る 「端島のパワーや歴史が2018年に残っていることを実感」
ドキュメンタリータッチにできたらいいなという話を塚原あゆ子監督や花ちゃんにも話して、それが各スタッフさんにも広がってあのシーンが出来上がりました。鉄平と朝子の幸せな場面ですし、直前の百合子(土屋太鳳さん)と賢将(清水尋也さん)のプロポーズのシーンに負けないぐらい良いシーンを作りたいなと思っていたので、たくさんの反響があってすごくうれしかったです!
--鉄平と玲央の素晴らしい演じ分けを見せてくださいましたが、“実はこんなところに気をつけていた”というポイントがあれば教えてください。
玲央がいづみ(宮本信子さん)に何かを真剣に伝えるシーンで塚原監督に「今ちょっと鉄平出たかな!」って言われることもあって、セリフに力が入りすぎたり、眼差しが光り過ぎないように特に物語の前半では気をつけていました。玲央は体幹の軸がないのも特徴で、力強く立っている鉄平とは対照的に、玲央を演じるときは立ち位置でフラフラしているようにして差を付けていました。それでもたまに玲央で普通に立ってしまうこともありましたが……(笑)。
◇座長として駆け抜けた神木隆之介を支えたのは?
--脚本・野木亜紀子さん、塚原監督、新井順子プロデューサーの作品は改めていかがでしたか?
何があってもどっしり構えてくれている守護神みたいな3人がいて、とにかくかっこいい現場でした。野木さんの脚本の素晴らしさを言葉で表現するのは難しいのですが、キャラクターの感情をこちらが探さなくても、セリフやシーンと向き合っていると自然とキャラクターが出来上がっていく感覚。台本には書かれていない十字架や過去が、実際に演じてみるとその通りに背負っているように作られているんです。“生きている人間”が描かれていた台本だったなと改めて思います。
新井さんはいつも決断が速い。そして、楽しいことが好きな新井さんがまとめるからこそ、福田亮介監督や林啓史監督、府川亮介監督がいて、良い撮影環境が作られているのだろうなと思います。