主要政党の「政治とカネ」問題に関する主な公約

自民党派閥政治資金パーティー収入不記載事件を受け、主要政党は衆院選公約で「政治とカネ」の問題を巡る改革に重点を置いている。ただ、具体的な方策に関しては各党間で温度差がある。 違いが際立つ課題の一つが、党から政治家個人に支給される「政策活動費」の扱いだ。党側の政治資金収支報告書には支出として記載されるが、政治団体ではなく個人に支給されるため、使途を明示する必要はない。 衆院選公約では、自民が「将来的な廃止も念頭に」透明性の確保などに取り組むとの記述にとどめたのに対し、公明党は「ブラックボックス化されている政策活動費を廃止」と盛り込んだ。立憲民主党や日本維新の会、国民民主党もそれぞれ「廃止」と明記し、共産党は税金を原資とする政党助成金制度の廃止を訴える。 政策活動費を巡り、石破茂首相（自民総裁）は今回の衆院選では使わないと公示直前に表明した。ただ、野党は「使途を公開しなくてもいいなら証明できない」（立民の野田佳彦代表）と実効性を疑問視しており、論戦の争点に浮上している。 政治資金パーティーに関しては、立民と維新、共産が企業・団体によるパーティー券購入の禁止を掲げ、国民民主も規制強化を主張する。自民と公明は公約への記載を見送り、与野党の対立点となった。 国会議員に月額100万円が支給される調査研究広報滞在費（旧文書通信交通滞在費）の改革では、自民、公明、立民、維新、国民民主が使途公開の必要性などに言及し、おおむね足並みがそろった。停滞してきた与野党間の協議が衆院選後にどう動くかが焦点となる。（松本学）