勤めていた会社が倒産し、先月から給与が未払いです…。泣き寝入りするしかないのでしょうか?
勤めていた会社が倒産したという状況で、先月から給与が支払われていないとなると不安を感じるかもしれません。労働者が給与をもらうという権利を守るための制度は、整っているのでしょうか。 この記事では、給与未払いの際に利用できる制度について詳しく解説します。
原則、給与は必ず請求できる
「賃金の支払の確保等に関する法律」があり、労働者が請求することで政府が会社に代わって未払いの給与を支払います。厚生労働省が定めている条件に合致していれば、原則として請求できることになります。 「払賃金の立替払制度」とは、会社が倒産してしまい給与が支払われないまま退職した人に対して、未払い給与の一部を立て替えて支払う制度のことです。全国の労働基準監督署や、独立行政法人労働者健康安全機構で制度を実施しているようです。
「未払賃金の立替払制度」の利用条件
未払賃金の立替払制度を利用する際の条件は、以下の通りです。 ・倒産についての法律上の倒産の場合は裁判所への申し立て、または事実上の倒産の場合は労働基準監督署への認定申請が行われた日の6ヶ月前の日から2年間のうちに退職した人 ・未払い賃金の額は、法律上の倒産の場合には破産管財人などによる証明を、事実上の倒産の場合には労働基準監督署長による認定を受けたうえで、独立行政法人労働者健康安全機構へ立て替え払いの請求を行う ・破産手続き開始の決定をされた日または監督署長による認定日の翌日から計算して、2年以内に行う また、会社における条件もあります。1年以上事業活動を行っていたこと、倒産したことなどにあてはまらない場合は上記制度の利用対象とならない可能性もあるので注意してください。 上記制度を利用する前に、条件や期限の確認、証明または認定が必要になりますので、忘れずに行いましょう。
「未払賃金の立替払制度」で受け取れる金額
退職日の6ヶ月前から立て替え払い請求日の前日までに、支払期日が来ている給与と退職金のうち、未払いとなっているものが対象です。未払い給与が総額2万円未満の場合や、ボーナスは制度の対象とはなりません。立て替え払いは、未払い給与の額の8割となります。 ただし、退職時の年齢に応じて上限が設けられています。表1に上限金額をまとめました。 表1