年末年始に「闇バイト」が狙う「マンション・アパート」 最上階でも危ない…「空き巣」がターゲットにする部屋の“典型的な特徴”とは
今年8月以降、SNSでの「闇バイト」案件に応募した者たちによる強盗が首都圏で頻発した。10月には横浜市青葉区の住宅に押し入り、住人男性(75)が手足を縛られ暴行を受けたことで命を落としている。「闇バイト」に応募した実行犯らは相次いで逮捕されているが、彼らを集めて強盗を指示した「指示役」は未だ逮捕されていない。 【写真】「泥棒刑事」お薦めの防犯グッズとは カネのためならば、会ったこともない指示役らの言いなりになって住宅に押し入り、住民に暴力を振るうこともいとわない実行犯たち。「闇バイト」案件が凶悪化するいっぽうで、一向に指示役にたどり着けないという実態を重く見たのか、国も本腰を入れ始めた。12月17日に開かれた犯罪対策閣僚会議では「闇バイト」強盗などの防止に向けた緊急対策がまとまった。捜査員が闇バイトに応募し、犯罪組織に接触、摘発を目指す仮想身分捜査を来年早期に導入することも決定。さらに総務省がSNS事業者に対し「闇バイト」募集の投稿削除を要請している。 「闇バイト」に応募する若者も強盗は避けたいと思っているのか、逮捕報道にも変化が見られる。直近での「闇バイト」逮捕案件は、強盗よりも空き巣や特殊詐欺の受け子や出し子が目立つ。「闇バイト」自体はゼロになってはいないが、案件がソフトになっているようだ。とはいえ、こうなれば“タタキ(強盗)じゃないから”と気軽に応募する若者も出てくるおそれがある。『泥棒刑事』(宝島新書)の著書があり、現役時代は多くの“職業泥棒”と戦ってきた、元神奈川県警捜査三課部長刑事、小川泰平氏も「年末年始は空き巣が一番増える時期」と警鐘を鳴らす。 【高橋ユキ/ノンフィクションライター】 ***
小川氏が言う。 「空き巣はゴールデンウィークやお盆にも増えますが、やはり年末年始が一番増えます。初詣やご旅行、ご実家への里帰り等、長期に自宅を空ける方も多いうえに、普段よりも現金を家に置いてあるご家庭も多いんです。そもそも年末年始は、通常の泥棒対策が一番必要な時期ですが、今年は少し警戒を強める必要があるでしょう。これまでは強盗事件が大半で、被害対象も戸建てが主だった『闇バイト』ですが、今後は空き巣が増えるおそれがあります」