【図解】高速道路で渋滞が起きやすい場所とは? メカニズムと予防運転法
年末年始や大型連休、夏のお盆時期などに車で出かける際、気になるのが高速道路の渋滞です。渋滞はどんなメカニズムで発生し、どんな場所で起きやすいのか。中日本高速道路に渋滞を引き起こしにくい運転の仕方などについて聞きました。 【図解】あおり運転「異常接近」「急ブレーキ」目立つ 厳罰化で警視庁まとめ
「減速」が生まれやすい場所で渋滞発生
渋滞とはそもそもどういう状態を呼ぶのでしょうか。高速道路各社では「時速40キロ以下が、1キロ以上でかつ15分以上継続する」状態と定義づけています。ではその渋滞は、どんなメカニズムで発生するのでしょうか。 中日本高速によると、キーワードは「ブレーキ」と「減速」。前の車がブレーキを踏んだり、減速したりすると、後続車もそれにつられてブレーキを踏むことになる――。それが次々と連鎖して渋滞が起こるのです。 そのため、渋滞が発生しやすいのは「減速が生まれやすい場所」ということになります。実際にもっとも多いのは「サグ部」での渋滞。サグ部とは下り坂から上り坂に差しかかる場所のことで、単なる上り坂と違い、自分の車が「上り坂」にいることに気づきにくく、速度が落ちてしまうからだといいます。 サグ部や上り坂のほかには「トンネル入口」、そして「インターチェンジ合流部」などが続きます。いずれも高速走行時にブレーキを踏むことが多い局面です。
渋滞予防につながる運転「3つのキープ」
渋滞が発生しないように、あるいは悪化しないようにするために、ドライバーとしてもできることはあるといいます。それは「3つのキープ」、すなわち「スピード」「車線」、そして「車間距離」をキープすることです。 スピードのキープが大事な理由は、減速やブレーキが渋滞の要因になることを考えれば理解できるでしょう。 車線と車間距離のキープについては、少し説明が必要かもしれません。例えば渋滞にはまり込んでしまった場合、少しでも早く抜け出そうと追い越し車線に移りがちです。しかし渋滞時に車線変更すると、追い越し車線の車列に割り込む形になるので、後続車がブレーキを踏んで速度を落とす局面が発生します。 また、車間距離が十分にキープされていれば、もし前の車がブレーキを踏んだとしても、その車間が速度差を吸収してくれるため自分はブレーキを踏まないで済みます。こうしたことから、車線と車間距離のキープが渋滞発生や悪化の予防につながるのです。 車線のキープは事故防止にもなり得るといいます。中日本高速道路の資料によると、3車線の高速道路での渋滞中の事故発生率は、走行車線がそれぞれ2割ずつなのに対して、追い越し車線ではなんと6割もあります。