「カービィボウルはRTAでも数学だ」ゲームなのに、研究の深さはもはや"学会"級⁉ 日本で2番目の『カービィボウル博士』を自負するRTA走者のスゴ技とは
「その仕事を見つけた瞬間、前職を辞めさせてもらいました」
――聞くところによると、カービィボウルの研究者の集まりは”学会”と呼ばれるそうですね 学会長――最初におはなししたTASプレイの先駆者さん――が発端というか原因なのですが。その人曰く、「カービィボウルは数学だ」と。その発言が転じて、カービィボウルのスーパープレイを人力で再現する人たちを「学会員」と、集まりを「学会」と呼ぶようになった、と私は認識しています。 ――学会の集まりもあるのですか? 交流はとくにありません。面白いことを発見した動画があったら、有識者が自然に集まってくるくらいです。 私が出場したRTA in Japanのアーカイブ動画も学会長が見てくれていたようで、コメントに「授業参観」と書かれていました。 ちなみに、日本で1番カービィボウルに詳しいのはその学会長だと思います。私は、2番目ですが、カービィボウル世界の原理を聞かれたら、基本なんでも答えられますよ。 ――ところで、今はなんのお仕事を? 就労支援施設で、eスポーツや動画投稿の講師をしています。もともと、大学で介護や教育関連を専攻していたことに加え、自分のこれまでの経験を生かせるまたとない機会だったので、採用情報を見つけたその場で「すみません、仕事を辞めさせてください」と前の職場に伝えました。 職場では自分の活動をオープンにしていて、イベントに出ることを話すと利用者の方が「すごいっ」と褒めてくれるんです。 取材・文/笠木渉太
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