「カービィボウルはRTAでも数学だ」ゲームなのに、研究の深さはもはや"学会"級⁉ 日本で2番目の『カービィボウル博士』を自負するRTA走者のスゴ技とは
RTAの達人たち#7 「カービィボウル」
ゲーム開始からクリアまでの実時間を競い合うRTA(リアル・タイム・アタック)。時に、そのやりこみは単なる遊びの領域を超え、研究と呼ぶのがふさわしい場合さえある。「3つのボタンしか使わない」マイルールでカービィボウルのRTAを行う美少女さん。夜勤の合間にひたすらカービィボウルをやり込み、長く深い研究の果てにたどり着いた境地とは…。 【画像】極秘ノートを初公開…自作のチャート(攻略手順)がまとめられた手書きの研究ノート
「理屈上はできるんで、できるんです」
RTA(リアル・タイム・アタック)という遊び方がある。やり直しや一時停止も含めて、スタートからクリアまでの実時間を計測する…。ただそれだけなのだが、8時間ぶっ通しでのプレイをしたり、なぜかゲーム機のほうを数百台集めたりと、作品やプレイヤーによって目指す高みと登り方が異なるのがRTAの魅力の1ついえる。 美少女(ペンネーム)さんのRTAは、まさに研究だった。 ――美少女さんの行っているRTAについて教えてください。 美少女さん(以下、同) 「3つのボタンだけでカービィボウルRTA」といいます。その名の通り、カービィボウルを3つのボタンしか使わないでなるべく早くクリアするカテゴリーです。 ――ボタンが3つしか使えないと、どうなるんですか? 打つときは、カービィをひたすらまっすぐに飛ばすか、打ち上げるか、それしかできません。方向を自由に決められないので、2打目以降にカービィが向く方向まで計算して、ショットしなくてはなりません。 打ち出したあとは「がんばれボタン」と「コピー能力」が使えるので、それらと壁、敵キャラ、回る床などのステージギミック、あらゆる要素を使い倒してカップインを目指します。 ――どうしてそんなことを? もともと、3つのボタンしか使わない遊び方はTAS(ツール・アシステッド・スーパープレイ※)でプレイしている先駆者様がいまして、これはRTAとしてもやれそうだなと。 ――あれ? TASってざっくりいうと、コンピューターを使って人間じゃ実現がほぼ不可能なスーパープレイをする、あれですよね。 そうです。でも理屈上は人力でも再現できるので、できちゃったんです。練習すれば、誰でもできるようになると思います。 (※)ツール・アシステッド・スピードランとも