債券は先物や中期債が上昇、日銀意見で買い優勢-発行計画も安心感
(ブルームバーグ): 27日の債券相場は先物や中期債が上昇。日本銀行が公表した金融政策決定会合(18、19日開催)の「主な意見」を受けて買われた。財務省が発表した2025年度の国債発行計画も支えになっている。
岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、日銀の主な意見は「先々の不確実性を重視する意見が多い印象」だと指摘。利上げが近いことを示唆する意見も散見されたが、一部でタカ派的な意見が警戒されていたことや、国債発行計画を巡る観測で前日に売られた反動もあり、先物が買われたと話した。
国債発行計画について、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、全体的に国債市場特別参加者(プライマリーディーラー)会合や国債投資家懇談会での議論が反映されているとして「債券市場の安心感につながっている」と話す。10年以下の増額が実際に明らかになったことで、需給の緩みに対する警戒感は消化したと述べた。
25年度は入札を通じた国債発行額が172兆3000億円と、24年度当初予算比で1兆3000億円増える見通しとなった。5年債が1兆2000億円増える。一方、超長期債の30年と40年はともに1兆2000億円の減額となった。
1-3月の国債買い入れ予定
日銀は午後5時に25年1-3月期の国債買い入れオペ予定を公表する。月間ベースの買い入れは10-12月期の4兆9100億円から4000億円減額となる見通し。減額対象はこれまでと同様に1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下の見込み。
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Hidenori Yamanaka