4連覇を狙うポガチャルが最有力候補、とびきり歴史的だった2024年の締めくくりは最後のモニュメント【Cycle*2024 イル・ロンバルディア:プレビュー】
秋が深まり、静寂に包まれたコモ湖畔が、この日だけは熱狂で染まる。シーズンもクライマックス、今季5つ目にして最後のモニュメント。クライマーやパンチャーだけに許された起伏クラシックが、とびきり歴史的だった2024年を、壮大に締めくくる。 来年で創設120周年を迎え、長い伝統を有するイル・ロンバルディアは、ここ数年はスタートとフィニッシュを毎年交互に入れ替えてきた。つまり今回は、ベルガモ発コモ着。いわゆる「難しい側」だ。
「ここ10年で最も難しい」と謳われた2年前のコースと、データ上はほぼ同じ。走行距離は252kmと長く、獲得標高に至っては4800mと、昨大会より400mも上回る。 なによりレース前半から容赦なく難関が襲いかかる。特にパッソ・ディ・ガンダは全長9.2km、平均勾配7.3%の本格派山岳であり、しかも頂上までの2.7kmは平均9.8%、最大15%にも至るという激坂でもあり。ちなみにコモ発ベルガモ着の場合はガンダこそが決戦地で、1年前も3年前も、ここでタデイ・ポガチャルが勝利への加速を決めている。一方で今回はスタートから50km前後での登場で、いわばライバルの脚を試すテスト会場となる。チューリッヒでは残り100kmでアタックを打った世界チャンピオンが、今回は残り200kmで飛び出してしまった場合を除いて!
サイクリストたちの聖地にして、まさにイル・ロンバルディアの守り神、マドンナ・デル・ギッザロ教会への上り(全長6.3km、平均勾配4.1%、最大10%)は、残り80km前後でこなす。自転車乗りたちの安全を祈り、レース通過に合わせて鳴らされる鐘の音はまた、真剣勝負の幕開けを告げるゴングでもある。 ついには2024年大会の勝負地がやってくる。その名もソルマノ……。1960年からわずか3大会だけ登場し、2012年に復活を果たしたものの、2020年を最後に再びコースから消えていた幻のような上り。
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