小さいミニがついに出た! 全幅1755mm、新型「エースマン」は元気で電気なクロスオーバーSUV【試乗レビュー】
やっぱり小さいミニが欲しい! そんな人の願いを叶えたコンパクトクロスオーバーSUV新型「エースマン」に試乗した。モータージャーナリストの小川フミオがリポートする。 【写真】MINIの新型「エースマン」の詳細を見る!(全52枚)
大人4人でも楽ちん
新型車、ミニ・エースマンが2024年6月に発売され、10月にメディア向け試乗会がコペンハーゲンで開催された。エースマンの特徴は、ピュアEVであることと、ボディサイズがコンパクトなことだ。 最新のミニのモデルは、23年発売のミニ・カントリーマンと、24年のミニ・クーパー。荷室が505リッターと機能的なカントリーマンと、いっぽうでスポーティな走りのクーパー。それらに対して、エースマンは全長4080mmと市街地での取り回しのよさがうたわれている。 4080mmの全長は、トヨタ・ヤリスクロス(4180あるいは4200mm)より短い。いっぽうホイールベースは、ヤリスクロスの2560mmに対して、2605mmとエースマンのほうが長い。 エースマンは、数字でみるとコンパクトだけれど、観た目の存在感は意外に大きい。変形ヘッドランプや大きなグリルの輪郭、さらに張りだしたイメージの前後フェンダーや、長めの前後長をもつルーフなど、要所要所を強調したデザインのおかげとみた。 さきに触れたとおり、燃料タンクをはじめ動力系のパーツが少なくできる電気自動車の利点を活かして、全長に対して長めのホイールベースによるパッケージングのよさが使い勝手のよさになっている。4人の大人が楽ちんに座っていられるのだ。
従来のミニとはまた違う絶妙なハンドリング
コペンハーゲンの街中で走ったコースは、狭い路地がなかったので、本来の狙い(?)まで感じることは出来なかったが、4mそこそこの全長に対して広い室内、という組合せだけでも、日本の路上によく合いそうだと感じた。 走りのほうは、バッテリー駆動のEVなので、ごく低速からしっかりとトルクが出る。エースマンは、パワーのある「エースマンS E」(最高出力160kW、最大トルク330Nm)と、「エースマンE」(135kW、290Nm)の2モデルがラインナップされている。 「S」は54.2kWhの容量をもつバッテリーを搭載し、一充電走行距離は414km(WLTC)。スタンダードモデルは42.5kWhのバッテリーで、327km走るとされる。 パワーはしっかり出るけれど、いきなりドンッとトルクが立ち上がるような設定ではない。カントリーマンと同様、加速はなめらか。すーっとトルクが立ち上がって、それが気持ちよく続いていく。高速でも速い。 ハンドリングは、運転しやすさに重点を置いた感じ。かつて「ゴーカートフィーリング」をセリングポイントにした頃のミニとも違い、落ち着いた操舵感覚がよい。かといって”なまくら”な感じはなくて、カーブを曲がっていくときも、ドライブしている私の意のまま。うまいバランスなのだ。