《萩生田光一氏・下村博文氏の明暗》「萩生田ジャイアンに守られている」で笑いをさらった片山さつき、下村応援で大マジメな高市早苗、裏金猛批判の青山繁晴…「応援演説」に大違い
応援演説に来たのになぜか裏金批判を展開する青山繁晴氏
一方の下村氏には自民党総裁選で石破茂・首相に僅差で敗れた“保守のカリスマ”高市早苗・前経済安保相が応援に入った。 高架下の会場では、演説が始まる前に、反対派がサザエさんのエンディングの替え歌で「ほーらほーらー自民は~、うそをつ~く~ さーなえさん さなえさん」と歌っていた。そこに高市氏が到着した。 「高市早苗です。新時代を切り開く下村博文候補をよろしくお願い致します。私は総合的な国力を今こそ強くしなければいけない、そう訴えをいたしております。国力とは何か、それは外交力であり、防衛力であり、経済力であり、技術力であり、総合力でございますが、そのすべてに関係するのが経済力でございます。下村博文候補が経済力の重要性を訴え、なによりもこれからの日本の、強い経済を作っていく。経済成長を支えていくのは、皆様おひとりおひとりの力と私は思っております。 コロナ禍の深刻な状況で、たくさんの方がお亡くなりになっている。その中で下村政調会長は歯をくいしばって、感染症の対策をする、また経済をじっくりと行なう、一生懸命やってくださった。そのころ私は総務大臣でございましたので、一緒に仕事をさせていただいたんですけど、またこれから一緒にやらなければいけないことはたくさんあります。いざ、どうやったら皆さんの命を守れるか、そういった取り組みを下村博文さんと一緒にやらせてください」 経済の真面目な話ばかりだったせいか、聴衆は盛り上がってはいなかった。別の日、高市氏と同様、岩盤保守層に根強い支持がある青山繁晴・自民党参院議員が下村氏の応援に立ち、こちらは「政治とカネ」の問題に正面から切り込む演説をして驚かせた。
「私は国会議員になってまだ8年3か月ですけれど、献金を一銭も受け取っていません。企業団体はもちろん、みなさんのような善良な市民の方からも。可哀想だから100円あげる、と言ってもダメです。 派閥に属していないので派閥のパーティーも個人のパーティーもありません。団体献金も全部お断わりしてきました。後援会も作らない、後援会長も置いていません。こういうことはみんなができるとは思いませんが、一つのモデルとしてきました。そして派閥とカネ問題にぶつかりました。自由民主党現職議員であっても言うべきことは、主権者の方にありのままに話します」 この話の切り出しでは裏金問題で非公認となった下村批判にしか聞こえない。どうやって下村氏の支援を呼びかけるのだろうか、と取材班もびっくりして聞いていると、「自由民主党の議員は『裏金と言うな』という人もいますが、私は裏金だと思います。なぜかというと、集まってきたお金を政治資金収支報告書に記載していなかったということは、その分の使い道を知られたくないということですよね」と演説は続いていく。 結局、応援部分は、「私は下村博文さんにも問うべきことは問うていますし、何よりも下村博文さんが世襲の議員じゃないということをもう一度再評価しています」というもの。下村氏の演説を聞きに来た支持者らしい聴衆も首をひねっていた。 同じ叱咤激励でも、松井氏の萩生田氏への応援演説とはかなり違うテイストだった。結果は明暗を分けた。
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