鹿児島県・徳之島 国内の世界自然遺産地域の官民集う 観光は「生活・文化で成り立つ」旅行商談会や意見交換
【徳之島】東京都と公益財団法人東京観光財団が、国内の世界自然遺産登録地域の官民と連携して旅行商品造成などを支援する現地交流会が13~15日、徳之島でもあった。旅行社との商談会も併せウォーキングツアーなどでつぶさに視察。意見交換では、インバウンド(訪日外国人客)対策など諸課題の中にも「観光は、その土地の人々の生活と文化があって成り立つと実感した」などの感想もあった。 国内の世界自然遺産登録地の▽知床(北海道)▽白神山地(青森県・秋田県)▽小笠原諸島(東京都)▽屋久島(鹿児島県)▽奄美大島、徳之島、沖縄北部及び西表島(鹿児島県・沖縄県)が連携。5回目の今年は沖縄県北部(やんばる地域)と徳之島を開催地に、旅行社9社や各登録地の都道県当局、観光関連団体の代表ら約40人が参加した。 徳之島では来月オープンする環境省の「徳之島世界遺産センター」(徳之島町花徳)の見学や、認定エコツアーガイドによる自然遺産登録地域のウォーキングツアー、アマミノクロウサギ観察、伝統料理の試食、塩たき小屋、闘牛の練習風景などを体験。最終日の15日、徳之島町文化会館会議室で商談会・意見交換会を開いた。 徳之島に関する感想では「観光は、その土地の人々の生活と文化があってこそ成り立つと今回実感した」。さらに「自然体験だけになってないか。東京や大阪でおいしいものを食べて足を運ぶインバウンドへの食事提供は大丈夫か。当初の懸念は良い意味で見事に裏切られた」と評価。自然が保たれ人々の生活文化が〝補完〟している点の示唆も。 主催者である東京観光財団地域振興部多摩島しょ事業支援担当課長の栁沼(やぎぬま)光伸さん(55)は「観光スポット的にはストーリー性が必要と思った。ガイドの知識・ホスピタリティー・ユニークさなどは観光客の満足度につながるが、少なくともその一人に出会えた。魅力を感じている」。闘牛観光は「闘牛大会を見ることがゴールではなく、牛を散歩させたり、ブラッシングさせてもらうとか、闘牛文化体験もほしい」などと語った。