外来生物対策で協定 フマキラーと和歌山県上富田町
和歌山県上富田町と、殺虫用品などの製造販売を手がける「フマキラー」(本社・東京)が9日、特定外来生物の早期防除や被害低減などの対策を目的にした包括連携協定を結んだ。同社が同様の協定を自治体と結ぶのは今回が2件目という。 【温州ミカン少ない 農家「こんな年初めて」 和歌山県紀南地方の記事はこちら】 協定締結は、町内の小学生向けキャンプの催しで同社社員と縁ができたのがきっかけ。梅やモモ、スモモなどバラ科の樹木を食い荒らす外来生物のクビアカツヤカミキリの被害が県内では紀北地域を中心に広がっていることから、専門知識を持つ民間企業との協働が必要と考えた。 両者は協定に基づき、特定外来生物の調査や研究、情報交換、侵入発生時の緊急対応などに協力して取り組む。具体的には、農林担当職員や農業・観光関係者と害虫の相談や対策について協議する。小学校の総合学習で、スズメバチやヤマビルなど山歩きで注意が必要な生物について学ぶ機会を設けることなども計画している。 協定の締結式で、同社の加藤孝彦専務は「互いの関係を深くし、県外、海外の人にも安心して町に来ていただきたい」、奥田誠町長は「町全体として取り組むことで、良好な生活環境の保全と安心安全なまちづくりの推進につながる」と語った。
紀伊民報