阪神、日本ハムなどで活躍の坪井智哉が引退表明
「アメリカは年齢が関係ないとか、完全実力主義の競争社会だとか言われているが、実は、そうではない。名前のある元メジャーリーガーを優先的に使うし、僕のような年齢のいったプレーヤーは敬遠される。いちいち頭にくることはたくさんあったが、そういうことを気にしていたらストレスでダメになると思ったし、ずいぶんと逞しくなった。確かに潜在能力、身体能力の凄い選手はたくさんいた。だが、野球の面では、この3年で驚くことや学ぶことはほとんどなかった。日本野球が突出しているし日本人の素晴らしさを再確認した。今後の野球人生にこの経験を活かしていければいい」。 夢は破れたが、これらの辛い体験は、人間・坪井の内面を成長させたのは間違いない。今後は、指導者としての道を探る。コーチ就任は、相手あってのことだが、日ハム退団時には2軍のコーチ就任を打診され、オリックス退団時もフロント入りの話をもらうなど、元々、その理論や経験に対する評価は高い。アメリカでの夢は破れたが、坪井の指導者としての新しい野球ロマンはここから始まる。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)