“空飛ぶカメラ”ってどう? 自撮りミニドローンを試して分かったその面白さとハードルの高さ
誰が見てもドローンである。手のひらサイズのミニドローン。 でも「使ってみてください」と言われていざ遊んでみると、ドローンというよりは「空飛ぶカメラ」なのだった。「空飛ぶ自撮りカメラ」であり「フリーハンドカメラ」であり、それが一番の面白さだなということでここでレビューしてみることにしたのである(機材提供:ZERO ZERO ROBOTICS)。 【画像22枚あり】上空から俯瞰モードで撮った動画からキャプチャした画像。ドローンならではの画像が面白い 2024年春に発売されて話題になった中国Zero Zero Roboticsが開発した「HOVER AIR X1 smart」だ。 主目的は操縦して自在に飛ばすことではなく、フリーハンドで撮影すること。簡単にいえば、勝手に飛んで勝手に自撮りしてくれる自撮りAIドローンなのだ。
99gなのが大事なこと
そして重さは99gである。 実はこれ、もともと23年に発売された「HOVERAir X1」というミニドローンがベース。当初すごく話題になったのだが、重さは125gだった。 超軽量のカメラドローンだったのだが、実は22年に改正航空法が施行され、ドローンを含む無人航空機の登録義務が発生し、同時にそれまで「無人航空機に当てはまらないもの」……つまり、航空法の制限を受けないホビードローンの定義が「200g未満」から「100g未満」に改正されたのである。 遊びでちょっと楽しむドローンに「100g未満」という制限が付いたのだ。これはけっこう厳しい制約で、ドローンの代表ブランドDJIのエントリーモデル「DJI Neo」は非常に小型軽量だが、それでも135gある。機体登録が必要だ。 誰でもカジュアルに飛ばして写真や動画を撮ろうというコンセプトからすると、登録不要な重さにしたい。そこで機体を折り畳む機構などを省き、99gにまでダイエットして日本限定モデルとして投入されたのが「HOVER AIR X1 smart」なのである(以下、Hoverと略す)。 小さくて軽くても製品コンセプト的に妥協できないのは画質。 ではカメラレビュー恒例のガスタンクを。あ、いくらミニドローンとはいえここで飛ばしたりはしてません。HOVERAirを手に持った状態でプロペラは回さず、スマホからのリモート撮影をしております。 ディテールの描写とかはまあしょうがないけれども、歪みもなく色もきれいで、そうだな、カメラとしてはエントリークラスのシングルカメラのスマートフォンレベルといっていいかも。画素数も1200万画素ある。 続いて屋外で人物。自撮りドローンである、ってことでいつものモデルさんではなく自撮り。ミニドローンとはいえどこで飛ばしてもOkってわけじゃないので、私有地で試しております。 次の2枚は「ストップモーション」モードで撮ったもの。 ドローンを飛ばしたのち、「3秒間止まる」とそれを検知して撮影するという面白い機能で、『ポーズを付ければ自動的に撮ってくれる」のだ。これは分かりやすい。 撮影はフルオートのみだけど、このサイズとしては十分な高画質。色も露出のバランスもいい。 ドローンらしく上空からのも1枚。 それを地上からみるとこうなる。