在宅勤務中の「だらしない服装」は要注意? プロが教える仕事服の選び方
成功者ほど好む、洋服のメンテナンス
では、実際のビジネスシーンで、どんな服装を選べば間違いがないのでしょうか。 ポイントは大きく4つあります。まず1つ目はサイズを合わせることです。服を選ぶときは必ず試着をしてほしいのですが、そのとき、しわが寄るのはサイズが合っていない証拠です。 例えば、ジャケットのボタンをしめたとき、横じわが寄ればサイズが小さいし、縦じわがよれば大きい可能性があります。ズボンも立ったときにしわが寄らないものを選んでください。 2つ目は手入れのしやすさです。上質な素材は意外と扱いやすく、長持ち。結果、費用対効果が高いのです。 手入れといっても、大げさなものではありません。一日着たら、洋服ブラシでさっと汚れを落とし、ハンガーにかけて風を通す。それだけでも、品質が良いものは風合いが保てますし、汗などのにおいも防げます。また手入れはこまめにすること。まとめてやろうとすると面倒になり、その分傷みも進みます。 ちなみに、私が知っている経営者の方たちは皆、洋服の手入れがお好きです。「特にアイロンがけが好き」という方がいるのですが、その方によると、アイロンをかけている間は無心になって、瞑想と同じ効果を感じられるそうです。おまけに洋服はきれいになるので、一石二鳥だとか。洋服のメンテナンスは、心の安定につながる習慣としてお勧めかもしれません。
若く見せる装いのポイントは白目の白さ
3つ目のポイントは、自分に似合う色を選ぶことです。似合う色というのは、顔色を健康的に明るく見せる色のことです。 人はそれぞれ肌の色や髪の色、目の色が違います。ですから購入の際は、洋服の生地を顔の近くに持ってきて、顔色が一番血色良く、明るく映える色を選びましょう。コツは唇の色に注目すること。女性の場合は口紅を落とした状態で、服を顔の下に当ててください。唇の血色が一番良く見えるものが自分に似合う色です。 また若く見せたい場合は、白目に注目です。歳をとってくると、白目の部分が黄色っぽくなってきます。白目がより白く、きれいに見える色を選ぶと若々しい感じになります。 なお、色の変化が微妙で判断がつきにくいときは、店員さんに頼んで、試着した姿を明るい場所でスマホで撮影してもらいましょう。スクロールして見比べてみると、違いがわかります。 色に関してよくある悩みは、自分が好きな色が必ずしも似合う色とは限らない点です。好きな色を着ていると、精神的には安定しますが、それが似合わない色だと、他者から見たとき、問題が生じます。一方で、自分が嫌いな色が似合う色だったら、そんな色を身にまとうのはテンションが下がります。 でも安心してください。似合う色が嫌いな色でも、トップスの襟元やスカーフなど、自分の顔の近くに持ってくれば、その色は自分の目には入りません。かたや他人からは、顔周りが一番目につく場所ですから、似合う色でアピールできます。 そして自分が好きな色は顔からできるだけ遠い場所、例えば靴やボトムに使えばいいでしょう。あるいは名刺入れや財布など小物に使えば、いつも好きな色が視界に入るので、気分が上がります。 服の選び方の4つ目のポイントは流行を押さえることです。流行といっても、最先端のアイテムを追いかけろということではありません。今流行りのシルエットを取り入れようということです。 シルエットの流行は肩幅とウエストの高さに端的に表れます。時代によって、肩幅は狭くなったり広くなったりを繰り返していますし、ウエストもハイウエストとローウエストの間を行ったりきたりしています。 自分によく似合った服装だからといって、何年もずっと着ていると、シルエットが流行とズレてきて、古くて、年寄りくさい感じになります。今流行りの肩幅やウエストがどうなっているか、ときどきチェックしてください。 お勧めは、ユニクロのようなファストファッション店に行ってみることです。流行は最先端のとがったデザイナーズブランドから始まって、最後はユニクロのような一般向けの店に広がります。ですからこうした店に並んでいるものが、今押さえるべき流行のシルエットです。 どんな装いをするかで、置かれた状況は大きく変わります。自分を大切にする意味でも服装は大切にしてください。
久野梨沙(一般社団法人日本服装心理学協会代表理事)