【府中牝馬S】ヴィクトリアマイル組は連対なし カギを握るのはモズゴールドバレルらクイーンS組
今年が最後のアイルランドトロフィー府中牝馬S
かつてアイルランドトロフィーといえば、エイシンヒカリが外に逃避しながら勝つなど秋のオープン、準オープンで行われてきた。これが府中牝馬Sと合体したのが2017年。GⅡとして7年を過ごしたアイルランドトロフィー府中牝馬Sは今年で終わる。来年からは再び両者は離れ、同条件をアイルランドトロフィーが引き継ぐ。 【毎日王冠2024 推奨馬】能力は断然No.1!複数の好データ持ちで圧勝だ SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 府中牝馬SはマーメイドSのかわりに6月東京芝1800mのハンデ戦として再出発する。来年から府中牝馬Sは波乱の歴史を引き継ぐことになるだろうか。最後のアイルランドトロフィー府中牝馬Sはどんな結末が待っているのか。ぜひとも記念に的中させたいところだ。データは過去10年分を使用する。 1番人気【2-4-1-3】勝率20.0%、複勝率70.0%、2番人気【0-2-3-5】複勝率50.0%と複勝圏内は合格も、単勝となると少し頼りない。秋の牝馬は難しい。そんな格言が浮かぶ。 4番人気【3-1-0-6】勝率30.0%、複勝率40.0%、10番人気以下【2-0-1-45】勝率4.2%、複勝率6.3%など伏兵も爪を研ぐ。どこからでも入れるレースだ。 年齢は人気よりわかりやすい。4歳【5-6-6-41】勝率8.6%、複勝率29.3%、5歳【5-3-2-49】勝率8.5%、複勝率16.9%と勝ち馬はこのふた世代からしか出ていない。6歳【0-1-2-13】複勝率18.8%などさすがに1年の終わりとなると、ベテランはしんどい。
前走2000mのコスタボニータは注意
今年の顔ぶれは小倉記念2着と牡馬相手に善戦したコスタボニータを中心に、牝馬重賞常連フィールシンパシー、コンクシェルらが続く。 前走GⅠが【0-1-4-15】複勝率25.0%と悪く、これが難易度をあげている。足を引っ張っているのはヴィクトリアマイルの【0-0-3-13】複勝率18.8%。同じ東京で200mの違いだが機能しない。5月2週目から約5カ月あり、ここまで出走できない事情も背景にありそうだ。 フィールシンパシー、ライラック、ハーパーは厳しいか。なお、前走牡馬相手のGⅠ出走馬は【0-1-1-1】。フィアスプライドは悪くない。 前走GⅠ以外だとクイーンSが【3-3-3-22】勝率9.7%、複勝率29.0%とポイントになるも、数が多く絞りにくい。9着以内【3-3-3-17】、プラスして中団から差した馬だと【3-3-1-5】と狭まる。モズゴールドバレル、ラリュエルがこれに一致する。 着順を全体に広げても、中団【3-3-1-8】勝率20.0%、複勝率46.7%、後方【0-0-2-2】複勝率50.0%に対し、逃げ先行は【0-0-0-12】なので、クイーンS組はまず差しに回った組に注目しよう。東京にかわって、先行型は踏ん張りきれないのかもしれない。 今年のクイーンSは実績があるコンクシェルがペースを握り、前半1000m通過1:00.3の平均的な流れをつくった。後半800mは11.8-11.6-11.8-11.9と洋芝の札幌らしい持続力勝負。10着ウンブライルまで0.5秒差以内に入っており、舞台替わりで着順は簡単にひっくり返る。東京2勝モズゴールドバレルなど注意すべき馬は多い。 過去10年で前走小倉記念は出走がない。今年は中京芝2000mだった影響から、2着コスタボニータ、5着セントカメリアが登録した。関屋記念【2-2-1-4】など6~9月、牡馬相手の芝1600m以下GⅢは【2-2-2-15】。対して同時期、牡馬相手の芝2000mGⅢは【0-0-0-5】。短縮がよくない。スピードが要求される東京らしいデータだ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳