ヒュルケンベルグ、アゼルバイジャンGP終盤2ポジションダウンを説明「いつもとレースコントロールの対処が違った」と主張も多くは語らず
ハースのニコ・ヒュルケンベルグが、F1アゼルバイジャンGPの決勝レース最終盤にフェラーリのカルロス・サインツJr.とレッドブルのセルジオ・ペレスがクラッシュしたことで減速した際に、メルセデスのルイス・ハミルトンとチームメイトのオリバー・ベアマンにオーバーテイクされた時のことを振り返った。曰く、レースコントロールの対処が、これまでとは違っていたように感じているという。 【ギャラリー】RB、F1シンガポールGPに向けて特別”デニム”カラーリング発表 ヒュルケンベルグはアゼルバイジャンGPのレース終盤、10番手を走っていた。しかし49周目にウイリアムズのフランコ・コラピントに抜かれて11番手に。ただその次の周には前を走るサインツJr.とペレスがクラッシュしてマシンを止めたことで、9番手に上がることになった。 しかしヒュルケンベルグは、事故の当該区間を抜けてグリーンフラッグが振られている区間に差し掛かった際に加速が遅れ、ふたつポジションダウン。結局11位でのフィニッシュとなり、ポイント獲得を逃した。 チームとしてはベアマンが10位で1ポイント獲得したものの、ヒュルケンベルグが9位をキープしていればコンストラクターズポイントをもう1ポイント積み増すことができたはずであり、悔やまれる結果ともなった。 「グリーンに戻ってからVSC(バーチャル・セーフティカー)が出るまでにかなりの時間がかかったのは確かに驚きだった。最近の事例……例えば昨年のメルボルンでは、アルピーヌがクラッシュした後すぐに赤旗が出たはずだ。だから、その時の対応とは少し違ったと思う」 そうヒュルケンベルグはシンガポールGPの木曜日に語った。 「バクーでの週末は、難しかった。日曜日はかなり順調に見え、ハッピーエンドに向かっているように見えたんだけど、最後の2周がうまくいかず、好結果が僕らの手からこぼれ落ちてしまった。とても苛立たしいね」 「チャンスを逃してしまったけど、僕らは次に進む。あまり細かいことは話したくないんだ」 ヒュルケンベルグは、フィニッシュ後にレースディレクターと話をしたことを明かしたが、その内容は語らなかった。 「レース後にニールス(ウィティヒ)に会いに行った。でも、あまり多くのことは言えない。彼はいつも通り対処したと感じていたようだ。違うことをしたとは感じていなかったみたいだった」 ただヒュルケンベルグは、チームメイトのベアマンに抜かれたことについては、フラストレーションよりも安堵の方が大きかったと語った。 「フラストレーションは感じなかったよ。それどころか、正直に言うと(チームとして)ポイントを獲得できたので、安堵感の方が大きかった」 そうヒュルケンベルグは明かす。 「オリーは週末を通じて素晴らしい仕事をした。ほとんどミスをしなかった」 「彼のオーバーテイクはフェアプレイだった。本当によくやったと思う」 このベアマンの働きについては、チーム代表の小松礼雄も、シンガポールGPの木曜日に改めて賞賛した。 「彼の認識力と、冷静さを示していると思います」 そう小松代表は語った。 「たくさんの破片が飛び散ったあのイエローフラッグの状況でも、彼は落ち着いていました。そして『OK! ニコは調子が良くないみたいだ』と言える冷静さがあり、ただ走り続けたんです。素晴らしいですよ」
田中健一, Jonathan Noble