「ミスしたら罰則」は危険!……発達障害の人に「ペナルティ」を課してはいけない納得の理由
「空気が読めない」「協力するのが苦手」「コミュニケーションがとりづらい」など、発達障害っぽい特性を感じさせる人が、あなたのまわりにもきっと1人か2人くらいいるのではないでしょうか。彼ら・彼女らの内面の特徴を知れば、そんな「あの人」とうまく付き合うヒントが見えてきます。 【写真】『あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』
話が通じない「あの人」にどう接するか
漫画家の野波ツナです。先日出たばかりの新刊のなかで、私は発達障害がある人、診断はないけどそれらしい特性がある人を、まとめて「あの人」と呼ぶことにしました。 ASD(自閉スペクトラム症)がある夫と暮らす一方、発達障害の専門家にくり返し取材するなかで、大事なのは名称ではないということに気づいたからです。 「ASD」「発達障害」という言葉に囚われるのではなく、たとえば目の前の「あの人」の(私の場合は夫・アキラさんの)特性を知り、彼に伝わる言葉・表情を使うだけで、解決できる問題がたくさんあったのではないかと思います。 そしてもうひとつ、目の前の人に合った接し方を探すためには、その内面の特徴を知っておいたほうがいいということも学びました。今回は引き続き、気になる「あの人」によく見られる特徴を紹介していきます。
目に見えて釣り合ってないとイヤ!
目で見たり、耳で聞いたりしてハッキリ「均等だ」と実感できないと、〈損した〉と思ってなかなか納得できないのも「あの人」の特徴です。 たとえば同じ内容の仕事をしたのに、 Aさん(新入社員)は高く評価され、 Bさん(中堅社員)はとくに何も言われない……ということが往々にしてあります。 Aさんと Bさんでは社歴が違うため、それぞれ経験値や求められる内容が異なるので、評価が違うのは当たり前です。 しかし、出来事の背景などの目に見えない部分を理解するのが苦手な「あの人」には、そこがわかりません。だからイラストのように、事情を考えず物申すことがあるわけです。 ときどき、「ミスをしたら罰金!」などのように、ペナルティを科して「あの人」の行動を矯正しようとする人がいます。 アイデアは悪くないのですが、「あの人」はあなた自身にもルールを守るよう厳格に要求してくることがあるので、気をつけたほうがいいでしょう。「あの人」はそういうところでも釣り合いには敏感なのです。