衝撃波を推力に変換…デトネーションエンジン搭載の観測ロケット 液体燃料使った世界初の実験は宇宙開発の未来を拓く 14日打ち上げのS520-34号機を公開 JAXA
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から14日に打ち上げる観測ロケット「S520-34号機」を同観測所で公開した。衝撃波を推力に変換するデトネーションエンジンを搭載。分離後に作動させ、性能を評価する。液体燃料を使った宇宙空間での実験は世界初という。 【写真】〈別カット〉公開された観測ロケット「S520-34号機」=11日、肝付町の内之浦宇宙空間観測所
同エンジンは、推力向上やコンパクト化が期待され、海外でも研究が進む。JAXAは2021年に宇宙空間での飛行実証に初成功している。前回の燃料はガスだったが、今回はロケットでより実用的な液体を採用する。将来的には大型ロケット「H3」での利用も見込まれているという。 34号機は全長9.6メートル。打ち上げ時間は午前11時半~午後0時半。11日に会見した名古屋大学の笠原次郎教授は「ロケット技術を一新する可能性もあるエンジン。5年後ぐらいの実用化を目指したい」と話した。 肝付町は14日午前8時半から見学場「IHIスペースポート内之浦」を無料開放する。申し込み不要で先着順。
南日本新聞 | 鹿児島