名古屋~岡崎が「信号ゼロ」!? 東名第3ルート「名古屋三河道路」ついに先行区間がルート決定 まずは「知多~安城」の地獄渋滞が解消!? 住民から期待の声も
愛知県南部の貴重な東西軸
愛知県の臨海エリアをふくむ、県南部の新たな東西軸となる高規格道路「名古屋三河道路」が、事業化に向けて大きな前進です。 一体どのような道路で、話はどこまで進んでいるのでしょうか。 【画像】超便利!? これが壮大な「名古屋三河道路」の全貌です(30枚以上)
名古屋三河道路は、伊勢湾岸道の名古屋港から分岐し、海を越えて知多市に到達、さらに高浜市・刈谷市、安城市を経由して、岡崎で東名に接続するものです。 愛知県の東名・新東名といえば、とにかく内陸部の山側を走っていて、肝心の南部都市圏を完全スルーするようなルートになっています。 こうして置き去りにされ続けたのが先述の知多・高浜・刈谷・安城エリアです。地域移動としては豊明~蒲郡~豊橋~浜松をつなぐ「名豊道路」が整備されてきましたが、全国ネットワーク道路のレベルだと、未だ貧弱さが否めません。 どこへ行くにも、延々と生活道路を走り続けなければならず、信号に次ぐ信号、渋滞に次ぐ渋滞で、高速に乗る前に疲弊してしまうのが現状です。 さらにこのエリアは知多の臨海部をはじめ工業地帯が多数ありますが、それを名古屋港や東名・新東名方面へ輸送する手段に乏しい状況です。 そのため「第二の伊勢湾岸・東名ルート」として構想されてきたのが、名古屋三河道路です。 また、東名・新東名方面から中部国際空港へのアクセスとしても、知多半島道路などに代わる短絡ルートとして利便性の向上が期待されています。 さて気になる進捗ですが、まずは先行工区として「知多~西三河」の約20kmで検討が進められることとなりました。 この部分は、西知多道路~知多半島道路~名豊道路という放射軸を相互に連携するもので、まずは道路空白地帯をまんべんなく既存の高規格道路へ接続する役割を果たします。 事業化の第一歩は、概略ルートを決定する「計画段階評価」です。2度の地域アンケートで、ルート案3案から最終案を絞り込みます。そのあとは都市計画決定と環境アセスメントの手続きが進められ、それが終わればいよいよ事業化を待つ段階となります。 その計画段階評価が2024年12月9日、ついに完了し、概略ルートが確定しました。 概略ルートは、阿久比を経由する南側ルート(約20km)です。ほかの案では「最短直結ルート(約19km)」「現道拡幅案(約23km)」がありましたが、最短ルート案は工業地帯をうまく連絡しないなどの要因で、不利とされました。 アンケートで寄せられた意見では、「衣浦大橋の渋滞解消を望みます」「平成大橋の渋滞が減る対策をお願いします」「国道23号の渋滞緩和を求む」など、渋滞緩和への希望が多く上がっていました。 衣浦大橋、平成大橋とも、愛知県南部を南北に分断する「境川」にかかる数少ない橋です。強烈なボトルネックとなって地域住民の東西移動を大きく阻害し、慢性的な大渋滞となっています。この境川周辺を「信号ゼロ」で越えていける名古屋三河道路には、大きな期待がかかっています。
くるまのニュース編集部