【もうひとつのHondaパワー】人を育てる会社「Team ATJ」のレース活動をHondaパワープロダクツがサポート
レースに勝つだけではないそれ以外も岩田選手に期待
岩田選手にも話を訊いた。 -予選の感触はどうでしたか。 「もう少しタイムを出したかったのですが、3列目は確保できたので、まあまあの結果です。決勝は、雨予報も出ていますが、雨は上位チームとの差も縮まるので好きな方かもしれません。今年の新マシンは雨のセッティングデータが不足していますが、まだ時間があるので降ればこれからやります」 -Team ATJでの役割は。 「ライダーは、チームから優勝や好成績を求められますが、私は年齢を重ねてからATJに指名されました。チームには若いメカニックもいるので、勝つこと以外の部分にも期待されたのだと思います。チームやスタッフを育てることも私の役割のひとつだと考えています。初年度のチームは、レース経験のないスタッフが参加していたので、レースの初歩的なことから教えながら新しいメカニックも育てるなど人材育成も役割として担っていました」 -普通はそこまでやるものですか。 「それは私の考えです。ただ勝つだけではなく、みんなで一緒にやるのはATJの考えと同じです。メカニックからは、わからないことがあれば聞かれ、逆に自分も聞きます。また若い人が加わればまわりが教えるといういい流れもできています。もちろん、知識、経験を兼ね備えたベテランスタッフも力を発揮しています」 -監督も元ライダーですが、どのようなメリットがありますか。 「メリットしかありません。ライダーファーストで常に動いてもらい、レースに向けていろいろトライできるのも監督のおかげです。またチームとはいい関係ができていますし、全員が同じ方向を向いています。レースでは、四輪のスタッフと関わることもありますが、二輪、四輪の壁はなく、お互いの知識を融合させてチームは理想的に進んでいると思います」 -Enjoy Hondaの説明員を担当してからHondaパワープロダクツへの意識は変わりましたか。 「最近は災害が多く、お客さまの意識が変化し、キャンプ場などで発電機の騒音トラブルの状況などを聞くと、蓄電機のE500を勧めています。今ではすっかりE500のスペシャリストになりました。また地域により、興味を持たれるHondaパワープロダクツ製品が異なることにも驚きました。雪国ではやはり除雪機、それ以外だと芝刈り機や発電機ですね。でもE500や耕うん機は全国どこでも変わりなく人気は高いです」
モータースポーツは人を育てる絶好の場所である
レース活動を通して人を育てているのがTeam ATJである。 中津原監督を含めチームには4名の専属スタッフがいるが、こうしたレースイベントには各部署から社員が応援に駆け付けそれぞれが経験を積んでいる。また監督自身が元ライダーだったということもあり、岩田選手との間には共通の言語があるようだ。 岩田選手も「成績だけを求めるなら若いライダーと契約する。Team ATJが私に求めているのはそれ以外のところが大きい」という。同じ方向を向いてレースをしているこのチームの雰囲気はとても良く、また岩田選手は人材の育成にも貢献している。
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