志野の美、研究の軌跡 人間国宝・鈴木藏展開幕 県水墨美術館
「卒寿記念 人間国宝 鈴木藏の志野展」(富山県水墨美術館、富山新聞社、北國新聞社など主催)は22日、富山市の同館で開幕した。日本を代表する陶芸家で美濃焼の一種「志野」の第一人者、鈴木藏(おさむ)氏(89)による初期から最新作までが並び、来場者は技法や焼成方法の研究によって磨かれてきた独特の美に見入った。 志野は日本陶磁の歴史で初めての白い陶器で、白色の釉薬を焼成することで生まれる緋色や表面に現れるピンホールが特徴。会場には最新作の茶碗(わん)を始め、大皿や水差し、大型の立体作品である「陶塑(とうそ)」など109点が並び、鈴木氏が影響を受けた安土桃山時代の茶道具なども紹介された。 開会式には、竹内延和富山県生活環境文化部長、吉田仁富山新聞社代表(北國新聞社常務)、若松基県水墨美術館長、新矢圴北日本放送取締役、浅地豊秋水美術館長らが出席した。 会期は来年1月19日まで。開館時間は午前9時半~午後6時(入室は午後5時半まで)。一般千円、大学生500円、高校生以下無料。