蛇行剣、刀と剣のハイブリッド 富雄丸山古墳、30日から初公開
奈良市の富雄丸山古墳(4世紀後半、円墳)で出土した国内最大の蛇行剣は、クリーニングの結果、剣の特徴である突起がある一方で、刀の特徴であるくさび形の柄頭が付いていたことが分かった。奈良県立橿原考古学研究所と奈良市教育委員会が26日、発表した。 同研究所は「剣と刀のデザインを併せ持つハイブリッド構造だ。古墳時代中期以降に盛んになる刀装具と剣装具はこのようなものから分化していく可能性が考えられる」としている。蛇行剣は30日から研究所付属博物館で初めて一般公開する。 剣身を収めるさやは広葉樹のホオノキ製で、全長約2.5mに復元できる。剣先側のさや尻には、さやが直接地面に付かないように保護するための細長い石突(長さ18.5cm)があり、刀剣のさやでは初確認とみられる。長大な蛇行剣を立てて使用することも想定した構造という。さや尻とさや口には黒漆が塗られ、文様もあった。 また剣を握る柄は全長38cmとみられる。刀に特有とされるくさび形の柄頭のほか、さや口の近くには剣特有の柄縁突起(長さ9cm)があった。