斎藤知事が兵庫県公式サイト「知事の活動記録」を削除? もともと直近1年分しか表示されない仕組み【ファクトチェック】
国会図書館がオンライン上で公開している最古のアーカイブである2010年5月7日分も同様に2009年6月から2010年5月までしか記録されていなかった。
判定
斎藤知事が「知事の活動記録」ページ内の過去の活動記録を削除しているとの主張はミスリードで不正確。2023年11月以前の活動記録が削除されているのは事実だが、兵庫県のサイトが直近1年分しか表示されない仕様で、斎藤知事以前からのシステムだ。
あとがき
広報広聴課は「1年でサイトから削除するようになった理由の詳細はわからないが、データ容量の都合などもある」と説明しています。しかし、単なる文字情報でデータ容量が圧迫されるとは思えません。 「知事の活動記録に掲載するような形式での記録は、他には保存されていない」ということで、サイトから削除されることで消えてしまいます。「過去の活動記録が知りたいという問合せには国立国会図書館WARPを案内している」とのことですが、活動記録を調べる側からしたら使い勝手が悪くなります。 また、「公用車の運行スケジュールなど知事の公務が別の観点からわかる公文書は別の部署が保存している可能性がある」とのことですが、これもウェブサイトに記録を残しておけばよいだけの話ではないでしょうか。 知事の活動がわかる記録を作っておきながら、わざわざ削除することで、今回のような憶測まで生んでしまう。偽・誤情報が拡散してしまう昨今の状況を見ても、公的機関が自ら積極的にわかりやすい発信をすることの重要性は今まで以上に高まっています。 検証:リサーチチーム 編集:古田大輔 判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。