砂漠の国で地産地消に取り組むふたつの人気レストラン
レストランシーンがかつてないほど盛り上がりを見せているドバイ。味のこだわりだけでなく、食のサステナビリティへの取り組みにも力を入れているこの都市で、特に注目のレストランを2軒紹介します。
アブダビ首長国、ドバイ首長国など7つの首長国から構成されるアラブ首長国連邦。そのアラブ首長国連邦のなかでも最大の都市がドバイ。中東で初となる「ミシュランガイド ドバイ2022」が発表されたことで飲食業界に大きな注目が集まっています。輸入食材への依存から脱却を目指し、地産地消を目指す動きも注目を集める理由の一つ。その取り組みについて取材しました。 サステナブルの旗手が展開するモダン・スパニッシュレストラン〈ボカ〉。
地元の生産者をサポートし、フードロス対策や二酸化炭素排出削減にも取り組む、持続可能なダイニング。
独創的なモダンスパニッシュを展開する〈BOCA(ボカ)〉は、世界でも屈指の金融ハブで経済特別区でもあるDIFC(ドバイ国際金融センター)の中にあります。国際的なギャラリーや星付きレストラン、ラグジュアリーホテルなども集まるここは、単にビジネスのハブとしてだけではなく、文化の発信地としてもドバイの最先端になっている場所。 食通の注目を集めるDIFCのレストランの中でも、ひときわ人気が高い〈ボカ〉は、あらゆる面でのサステナビリティとゼロエミッションに取り組むレストランとして有名です。食材は可能な限りドバイ及びアラブ首長国連邦内で調達。どうしても入手できないものは、世界各地のサステナブルな生産者を厳選して仕入れます。砂漠のイメージが強いドバイですが、ペルシア(アラビア)湾に面しているので実は海の幸も豊富。5年前から養殖が始まったDIBBA BAY(ディバ湾)の牡蠣をはじめとした、獲れたてのシーフードも楽しめます。 オーナーのオマー・シハブさんによると「ドバイのレストランは会社経営が多いので、仕入れは業者任せがほとんどです。でも私は、最低週2回必ずシェフが市場に行って自分の目で確かめた魚介を仕入れることにこだわりました。他の国では当たり前に聞こえるかもしれませんが、ドバイではとても珍しいことなんです。旬の魚がわかるUAEフィッシングカレンダーというものを参考に、近海で水揚げされたばかりの旬の魚を仕入れるので、他のレストランではあまり目にしないローカルな魚も提供することができるんです」