大爆発した宇宙船に歓声が上がった理由とは?
民間宇宙企業のシエラ・スペースは、AmazOnのジェフ・ベゾス氏設立のBlue Originとタッグを組み、地球低軌道上に民間宇宙ステーションを飛ばすのをミッションの1つにあげています。その研究開発の途中で、なんと大爆発が発生。 【全画像をみる】大爆発した宇宙船に歓声が上がった理由とは? YouTubeでその様子が公開されています。 …が、なんだか大歓声があがり、開発チームが笑顔でハイタッチしていますね。爆発したのに? 実はこれ、NASAのマーシャル宇宙飛行センターで行なわれた爆発テストの様子なんです。ちなみに、テストの結果は合格!
爆発の様子をコマで
爆発テストされたのは、シエラ・スペースが開発するLIFE(Large Integrated Flexible Environment )モジュールと呼ばれる部分。このフルサイズモデルの圧力負荷テストの爆発でした。 風船のように膨らんで… 膨らみきって… ボンっ! 別角度でもう1度、ドーン! わーい、大成功! ここ2年ほど、小型モデルの爆発テストは行なっていたものの、フルサイズは今回が初めて。 爆発直前、LIFEモジュールの圧力は77psiにまで達しており、これはNASAが推奨する60.7psiよりも27%も大きな数字。つまり目標値を上回った結果。そもそもモジュールの運用想定は15.2psiなので、4倍近い圧力に耐えられたということになります。
LIFEモジュールとは
LIFEモジュールは織物であり、生地には超強力な繊維ベクトランなどが使用されています。 打ち上げ時は、5mのロケットに搭載可能。これが、地球軌道ではビル3階建てほどのサイズに膨らむ仕掛けになっています。 シエラ・スペースいわく、膨らんで大きくなったLIFEモジュールは、宇宙空間における科学実験ラボなどとしての使用が想定されており、最大で宇宙飛行士4人の滞在が可能。 Blue Originと連携して開発する民間宇宙ステーション「オービタルリーフ」は、2030年に国際宇宙ステーションが引退したあと、民間宇宙ステーションという新しい扉を開く存在となります。 しかし、シエラ・スペースのLIFEモジュールは、オービタルリーフのいち部分として使用が想定されますが、その前に独自に打ち上げ・使用する計画もあります。 イーロン・マスク氏率いるSpaceXが、いつの日か火星に移住することを夢見るのとは違い、シエラ・スペースのLIFEモジュールはあくまでも宇宙空間での実験研究が目的。 CEOのTom Vice氏いわく「地球から脱出しようとしているのではありません。私たちは、この星をから離れようとする企業ではないのです。私たちの星にコミットし、より良い場所にしようとしているのです」。
そうこ