コロナ関連融資、「返済に不安」のある企業は13.0%
据え置き期間終了後に向けわずかに増加へ、企業だけでなく行政府や金融機関による一層の支援が重要
国内景気は、株式相場など金融市場が好材料となったものの、消費者の節約志向の高まりや自動車の生産・出荷停止などが悪材料となり、小幅ながら悪化傾向が続いた。日経平均株価が34年2カ月ぶりに史上最高値を更新、さらに3月4日には4万円台を付けるなど、金融市場においては好材料も多い。加えて、インバウンド消費や半導体関連の設備投資需要などが景気を下支えしている。また3月19日には、長く続いた非伝統的な金融政策であるマイナス金利政策が解除されるなど、経済の正常化に向けた動きが一段と加速している。 新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行し、ポストコロナ時代へと社会が進み始めているなかで、新型コロナ関連融資の返済も着実に進展している。一方で、現在借り入れのある企業のうち13.0%が今後の返済に「不安」を感じていることが分かった。とりわけ、食品値上げによる販売点数の減少に直面する「飲食料品小売」で高い水準が続くなど、業種による差異がよりはっきりと顕在化してきた。こうしたなかで、返済に関して金融機関への相談が遅れたことにより、事業継続を断念する動きもみられる。企業だけでなく、行政府や金融機関による一層の支援が重要となってこよう。 調査概要 調査対象企業:2万7443社 有効回答企業:1万1267社(回答率41.1%) 調査期間:2024年2月15日~2月29日 調査方法:インターネット調査