立川ステージガーデンで「達人戦」 将棋界のレジェンドが対局
将棋の「第2回 達人戦 立川立飛杯」が12月3日・4日、「立川ステージガーデン」(立川市緑町3)で開かれた。(立川経済新聞) 【写真】優勝して2代目達人となった丸山忠久九段 同棋戦は参加資格を満50歳以上の現役棋士に限定した公式棋戦で、今年で2回目。「将棋界のレジェンド」といわれる、谷川浩司十七世名人、羽生善治九段、佐藤康光九段、丸山忠久九段(以上、本選シード)、森内俊之九段、行方尚史九段、木村一基九段、増田裕司七段(以上、予選勝ち上がり)の8人による対局が、トーナメント方式で2日間にわたり行われた。 会場には多くの将棋ファンが訪れ、壇上の真剣勝負を観戦。静まり返ったホールにパチッパチッと駒を打つ音が響き渡った。併せて、ホワイエでは糸谷哲郎八段らによる大盤解説会のほか、将棋クッションなどのグッズ販売、フォトスポットや自由対局コーナーが並び、休憩時間もにぎわった。小平市から訪れた市村さんは「ここ10年くらい、アプリゲーム『将棋ウオーズ』やタイトル戦の観戦にはまっていて、来場は2度目。昔からずっと活躍している先生方の将棋が間近で見られる貴重な機会なので、仕事を休んで来た。生で見る真剣勝負は迫力がある」と話していた。 4日の決勝では、「激辛流」こと丸山忠久九段が、「盤上のロックスター」こと行方尚史九段に97手で勝利し優勝。行方九段は、初戦で初代達人の羽生善治九段を破り勝ち上がるも決勝では苦戦。「難しかった。自分の気がついていないところで何か打つ手があったかもしれないが、拾いきれなかった」と振り返った。「素晴らしい会場で棋戦を開催してくださった立飛ホールディングスに感謝の思いでいっぱい」とも。 2代目達人となった丸山九段は「1局目、2局目は内容があまり良くなかった。まだまだ達人には遠く、達人を目指してこれからも研さんしていきたい」と話した。前夜祭では、将棋ファンと共に立飛ビールで乾杯した棋士たち。「ビールは普段からあまり飲まないが、非常においしいビールだった。瓶を持って飲むスタイルは、ついだりつがれたりせず個々に楽しむことで、互いが独立自尊の仲間意識を高める意味があるのでは」と丸山九段。ファンに向けては、「達人戦はおのおのの熟練した技を持った棋士たちの戦い。そうしたところを楽しんでいただければ」と笑顔を見せた。
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