昔は夏でも「扇風機だけで乗り切れた」って本当ですか? 今年はエアコンを「24時間」つけっぱなしですが、どれだけ涼しかったのでしょうか…?
夏の暑さは年々増していると感じている人も多いのではないでしょうか。その影響で、毎日24時間エアコンをつけっぱなしにしているという人もいるかもしれません。 しかし、「昔は扇風機があれば夏を乗り切れた」とよく言われます。その習慣を続けた結果、エアコンを使わなかったために熱中症で病院に搬送される高齢者のニュースが報じられるなど、大きな影響が出ているのです。 本記事では 東京の過去40年間の気温データを基に、「昔より暑くなった」という主張は本当なのかを見ていきます。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算
東京の8月最高気温は30年で1.5度上昇
気象庁のデータによると、8月の平均気温は年々上昇しています。1984年から1993年と2014年から2023年のそれぞれ10年間の、8月の平均気温、8月の最高気温、年間猛暑日の日数をまとめたものが図表1です。 図表1
気象庁 過去の気象で検索を参考に筆者作成 平均気温こそ30年で0.7度しか違いがないものの、最高気温は1.5度も上がっています。 最も違いが大きいのは猛暑日の日数です。猛暑日とは最高気温が35度を超える日のことをいいますが、過去10年で約8倍に増えています。特に2022年は年間16回、2023年は22回と近年一気に増えているのです。 これらのデータからも、30年前よりも全体的に暑くなっていること、特に最高気温の上昇や猛暑日の頻度の増加が大きいことが、近年「真夏はエアコンが必須」となったことにつながっています。
エアコンと扇風機 24時間使ったときの差額は?
図表2は、エアコンと扇風機、それぞれを24時間使う生活を1ヶ月間(31日間)続けた場合の電気料金を比較したものです。なお、電気料金は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価を利用し、1キロワットアワーあたり31円として計算します。 図表2
筆者作成 扇風機だけで済んでいたときの電気代は、31日間使い続けていても500円未満でした。しかし、エアコンの場合は機種の大きさによって1万円前後から2万円以上の電気代が必要です。ここ数年の夏の気温上昇による経済的な負担は決して小さくないことがわかります。