習近平氏が公明山口代表に会わないのは「重視していない」というメッセージ
キヤノングローバル戦略研究所主任研究員でジャーナリストの峯村健司が11月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。公明党・山口代表と中国・王毅氏の会談について解説した。 【写真】習近平氏と会えなかった山口代表、王毅外相と会談で握手
公明党の山口代表が中国の王毅氏と会談 ~処理水をめぐり、中国が独自のモニタリングを要求
公明党の山口那津男代表は11月23日、中国の王毅政治局員兼外相と北京の人民大会堂で会談した。山口氏によると、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について、王毅氏からは「中国として独自にモニタリングができる機会をつくって欲しい」と求められた。
山口氏訪中の成果はパンダだけ
飯田)山口代表は22~23日に中国を訪問し、ナンバー5の蔡奇氏と会談。王毅氏とも会いましたが、習近平氏とは会えなかったことが報じられています。 峯村)率直に言って、「何をしに北京まで行ったのかな」という感じがします。「成果」としては、公式に発表しているのはパンダの貸与ですよね。それ以外はありません。
中国に何も与えず、評価できる日中首脳会談
峯村)一方、先日の日中首脳会談については、私は評価しています。45分の予定だった会談時間が約65分に延びました。同行筋に話を聞くと、処理水や邦人拘束の問題など、岸田総理の方から習近平氏に対して、強い調子で批判したそうです。。 飯田)岸田総理の方から。 峯村)事前に中国側の要求もいろいろあったらしいのですが、結局、日本側が受け入れたのは「戦略的互恵関係」の確認だけでした。これはそもそも、胡錦濤政権のときに約束したものを「もう1回しっかりとやりましょう」と言ったのみです。何も日本から中国に与えていないわけです。そういう意味では、交渉としてはうまくいったといっていいでしょう。 飯田)報道された写真も、岸田総理の笑顔はなかったですね。むしろ鬼の形相のような形でした。
先日行われた日中首脳会談をフォローアップするのが山口氏のミッション
峯村)本来、党外交はそれを補完するものでなくてはいけません。しかも与党なわけですから、補完するような形で「先日の首脳会談のこの件はどうなっているのだ?」というように、再確認や申し入れをすることが重要です。しかし、パンダの貸与は正直いって重要ではありません。