習近平氏が公明山口代表に会わないのは「重視していない」というメッセージ
風評被害でシーズンの上海蟹の価格が落ちている
峯村)むしろ被害を受けているのは中国側の漁業です。風評被害によって日本産だけではなく、魚自体を食べない状況になっている。魚の価格自体が全体的に落ちてしまい、3~4割減になっているらしいです。いまは上海蟹のシーズンですが、上海蟹の値段も落ちているようです。淡水なのですが。 飯田)処理水とは関係ないところでも。 峯村)自業自得ですが、風評被害で言えば中国の方がはるかに大きい。だから、そんなものは「勝手にどうぞ」と言っておけばいいだけの話で、今回のような二重外交は本当に慎重にやるべきです。
尖閣周辺のブイ設置、邦人拘束の件を先に話すべき
飯田)事前から処理水の話が全面に出るような形で報じられていましたが、本来は邦人拘束や、尖閣周辺のブイ設置について……。 峯村)順番はそうですよね。処理水はもっとあとですよ。ブイの話と邦人拘束について言うべきです。言ったかどうかも見えていないですよね。「きちんと言ったのだろうか?」と思います。
このタイミングで山口氏は何をしに行ったのか
飯田)事前の報道では、山口氏が総理の親書を持って行くという話がありました。あれはどうなったのでしょうか? 峯村)首脳同士が先日会ったばかりなのに、「親書はいるのか?」という話ですよね。このタイミングで何をしに行ったのか。その答えがパンダだとすれば、成果はほとんどなかったと言わざるをえません。
習近平氏が会わないのは、山口氏が中国から「重視されていない」というメッセージ
峯村)焦りもあると思います。2010年ごろから、これまで山口氏は習近平氏と4回会っているわけです。しかし、どんどん面談する中国要人の序列が落ちていった。一部のメディアでは、「蔡奇氏は習近平氏に近いから、きっと意見が届くはずだ」という報道もありますが、難しいと思います。今の「習近平一強体制」では、下から上に上がるシステムではないので。 飯田)下から上には上がらない。 峯村)習近平氏と「直接会わないと意味がない」のがいまの状況です。ちなみに調べたところ、習近平さんは同じ日にウルグアイの大統領や、ロシアの下院議長と会っています。忙しいわけではなく、山口氏の訪中が「中国から重視されていない」というメッセージです。