義母の家で付着する「白い粉」の謎。「最近お風呂入ってないんじゃない?ちょっと臭うかも」。入浴拒否は認知症の初期症状?
こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
新生活は好調なスタート! 初のマンション1人暮らしを楽しむ義母
前回は、田舎で1人暮らしをしている義母の家を訪ねた際、リアルに感じた「認知症」の初期症状についてお話ししました。その後「このまま離れて暮らすのは心配だよね」となり、我が家の近所へ2年前に越してきた義母。その当時から、今もなお進行中の“ある悩み”についてお話しします。 新しい住まいは、築10年の「高齢者専用住宅」です。近くには大きなスーパーやコンビニ、ドラッグストアがあり、買い物はとても便利。共用廊下のほか、トイレや浴室もバリアフリー設計で、足腰が弱ってきたお義母さんも気に入った様子でした。部屋の中には「通報装置」が設置されており、24時間コールセンターにつながる仕様となっています。 引っ越してすぐに要介護認定を受けたところ、結果は「要介護1」(立ち上がりや歩行が不安定で、日常生活において部分的に介護が必要な状態)。認知症は、「軽度~中等度」(お義母さんの場合は、着替えやトイレ、洗顔など身の回りのことは一人でもできますが、物忘れや集中力の低下があり、料理や細かい計算などが難しいという状況)でした。 そこで夫と私がサポートするほか、訪問介護での「生活援助」(調理、洗濯、掃除)も取り入れることとし、「初のマンション1人暮らし」は比較的好調なスタートを切ります。 「お隣さんが親切で何でも教えてくれるのよ~。今度、一緒に買い物に行くの」とうれしそうに話す姿を目にし、「もしや認知症の症状、少し軽くなったのでは?」という気にさえなっていました。
義母の家で付着する「白い粉」の謎
そんなある日、義母宅から帰ってきた夫が、玄関先で何やらズボンをパタパタしています。 よく見ると、細かい白い粉状のモノがズボンにたくさん付いています。しかし、その日は特に気に留めることもなく……。数日後、玄関先に再びズボンをパタパタする夫がいました。(デジャブ!!) さらに数日後、私の服にも「白い粉」が付着したことで、ようやくその“出どころ”が判明します。 夫&私:「お義母さんの家だ!」 翌日、夫と2人で義母宅を訪問し、改めてカーペットに手を触れてみると……。確かにあります、「白い粉」! そして、さり気なくお義母さんに近づき頭皮を見て納得。「白い粉」の正体は、髪の毛から落ちた“フケ”だったのです。 近づいたことにより「あっ、チョット臭うかも……」と、体臭も感じることになりました。当時はコロナ禍で、ちょうど「ソーシャルディスタンス」が定着し始めた頃。部屋の中でもマスクをし、一定の距離を保っていたことで気付けなかったのですが、さすがにこの日は「お義母さんがしばらくお風呂に入っていないこと」を確信せざるを得ませんでした。