親が亡くなったとき、かかる税金は相続税だけではないと聞きました。ほかにどんな税金がかかるのでしょうか? 節税方法はありますか?
相続が発生したときに、相続税を支払う場合があることは、よく知られていると思います。一定の額までは控除することができて、相続税がかからないケースもあります。今回は、意外に見落としがちな、相続税以外にも必要な税金について説明していきます。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
相続したときの相続税以外の税金とは
親が亡くなったとき、相続税以外にも税金がかかることは、心情的にも冷静に考える暇がない場合、意識するケースは少ないかもしれません。 相続税は、基礎控除やその他控除があり、遺産が一定以上であれば発生します。しかし国税庁が発表している「令和4年分 相続税の申告事績の概要」を見ると、令和4年分の被相続人数(死亡者数)は156万9050人ですが、相続税が課税されたのは15万858人と、死亡者全体の9.6%に当たります。約9割の人は、相続税のかからない遺産分割を行っていることが分かります。 それでは、相続税以外にかかる税金には、どんなものがあるのか見てみましょう。 被相続人に一定以上の収入があった場合には、所得税や住民税が必要となります。公的年金や会社員の給与のように、源泉徴収をされている収入の場合には、申告の必要はありません。一方、個人事業主や、その他源泉徴収されていない収入がある場合には、申告の必要があります。 また、被相続人が不動産を所有している場合には、固定資産税が必要です。さらに、不動産を相続した場合には、登録免許税がかかります。
相続開始から4ヶ月以内に申告が必要
前項のような収入があった場合には、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に、相続人が被相続人に代わって、確定申告を行わなくてはいけません。これを「準確定申告」といいます。 準確定申告では一般的な確定申告同様、配偶者控除や扶養控除もあり、被相続人が亡くなる前に支払った医療費や社会保険料、生命保険料、地震保険料も所得控除することができます。 申告するときは、各相続人等の氏名や住所、被相続人との続柄などを記入した「準確定申告書の付表」を確定申告書に添付して、被相続人の死亡当時の納税地の税務署に提出します。