親が亡くなったとき、かかる税金は相続税だけではないと聞きました。ほかにどんな税金がかかるのでしょうか? 節税方法はありますか?
節税対策は生前に行う
筆者が過去に受けた相談では、「相続税以外に税金がかかることがあるのでしょうか?」「準確定申告をすることで、節税ができるのでしょうか?」という質問がありました。 相続が発生した後では、節税対策をすることは難しいでしょう。相続税以外では、過去の収入や支出を被相続人に代わって申告することになるので、対策を講じることはできないといえます。 とはいえ、準確定申告の際の各種控除を適切に申告することで、納税額が少なくなる可能性はあります。相続税に関しても、生前に準備を行っておくことが大切です。基礎控除の3000万円に、法定相続人の数×600万円を足した額以上の遺産がある場合には、相続税がかかることになります。 例えば、相続財産が6000万円で相続人が3人の場合、基礎控除額は(3000万円+3×600万円=)4800万円となり、1200万円の部分には相続税がかかることになります。 図表1 相続財産とみなし相続財産の関係
筆者作成 なお、相続税が必要な相続は1割程度と少ないとはいえ、対策を行ったことで納税する必要がなくなったケースもあると考えられます。 例えば前述のケースにおける相続財産6000万円に、みなし相続財産である死亡保険金1500万円が加わり、相続財産+みなし相続財産は7500万円となります。そのうち死亡保険金1500万円は非課税なので、課税価格は6000万円となります。 これは、「相続財産に生命保険金がある場合、法定相続人の数×500万円が非課税になる」という制度があるからです。また、現金ではなく生命保険にしておくことで、全てを現金で相続するよりも少ない額の保険料を払って、死亡保険金を受け取れるというメリットもあります。 さらに、相続税の計算上では、死亡保険金は相続財産に加算されますが、相続人の固有の財産ですので、相続財産から分けることができ、相続させたい人へ確実に渡すことができます。