苦戦中の「企業内クラブ」と消えた「大学チーム」、台頭する「地域密着型クラブ」が物語る「4部化」【衝撃の廃部が示す「JFLと日本サッカー」の現在地】(3)
Jリーグの誕生とともに劇的な進化を遂げてきた日本サッカー。一方で、プロリーグではないものの、重要な部分を担ってきた「戦いの舞台」がある。日本のサッカーの成長を示す「JFLの現在地」を、サッカージャーナリスト後藤健生が探る。 ■【映像】「激しい撃ち合いに…」首位と2位の頂上決戦、激闘を制したのは
■ほとんどの都道府県に「Jクラブ」
1990年代のバブル崩壊や日本経済の低迷を受けて、多くの企業が経営的な余裕を失って、あらゆる競技で企業チームの廃部が相次いだ。もし、Jリーグ発足が、あと5年も遅れていたら、サッカー界でも多くのチームが消滅してしまっていたに違いない。 しかし、まだバブルの名残が感じられる時代に発足したJリーグは大成功を収め、1992年にわずか10クラブでスタートしたJリーグは、現在はクラブ数が60に達し、J1リーグ、J2リーグ、J3リーグの3つのリーグ戦が行われている。将来のJリーグ加盟を目指すクラブは、日本全国に数多く存在しているのだ。 全国のほとんどの都道府県にJクラブが存在するなんて、30年前には考えられないことだった(高知ユナイテッドFCがJ3昇格を果たせば、Jクラブ空白県がまた一つ減る)。 J1リーグからJ3リーグまでが存在し、そのJ3の一つ下のカテゴリーの全国リーグが日本フットボールリーグ(JFL)。つまり、4部相当のリーグということになる。 そして、J3リーグが20チームに達した昨シーズンからは、JFLとJ3リーグとの入れ替えも実施されることになった(昨シーズンは、Jリーグ加盟を目指していないHonda FCと加盟資格を持たないブリオベッカ浦安がJFLで1位、2位を占めたため、J3との入れ替えは実施されなかった)。
■多様な形態のチームが混在する「リーグ」
そのJFLは多様な形態のチームが混在するリーグである。 一つは、Honda FC(本田技研工業)やソニー仙台や横河武蔵野のような企業内クラブ。必ずしも全員というわけではないが、大半が社員選手である。その他、FCマルヤス岡崎、ミネベアミツミFCがクラブ名に企業名を冠した企業内クラブということになる。 そして、JFLにはJ3リーグ加盟を希望するクラブで、ライセンスの対象になっているクラブが7つ加盟している。北からラインメール青森、栃木シティ、クリアソン新宿、ヴィアティン三重、レイラック滋賀、高知ユナイテッド、ヴェルスパ大分の7クラブである。そして、現在はまだライセンスを得られていないが、ブリオベッカ浦安やFCティアモ枚方も、将来のJリーグ入りを視野に入れたクラブだ。 かつて、JFLには流通経済大学のような大学チーム(大学リーグに出場するチームとは別のチーム)も加盟していたが、最近は大学チームは姿を消している。
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