テレビ大陸音頭が語る結成秘話 バズりまくりの若きバンドを生んだ底知れぬ音楽ルーツ
「俺に真実を教えてくれ‼」誕生秘話
―曲はどういうふうに作ってるんですか? 千代谷:僕がGarageBandで大本のデモを作って、あとはスタジオでみんなで広げる感じです。 ヤナガワ:曲は千代谷と鈴木がメインでやって、詳しいパートはそれぞれにお任せで、セッションしつつ進めることが多いです。 千代谷:もともと中学生の頃からGarageBandを使ってインスト曲を作ってたんです。当時はコーネリアスや暴力温泉芸者に憧れて、YouTubeからサンプリングして調理するのが面白かった。バンドとして初めて作った曲は、さっきも話した「夜について」ですね。 ―話題の「俺に真実を教えてくれ‼」はどういう曲を作ろうとしたんですか? 千代谷:そのときはブラック・ミディをすごく聴いてたので、たぶん意識してました。(影響源は)やっぱりサウスロンドンのポストパンクがメインですかね。 ヤナガワ:ギターのリフで持っていく感じとかね。 ―個人的にはドイツのニューウェイヴ・バンド、パレ・シャンブルグも連想しました。 千代谷:たしかに。その頃からがっつりドイツの音楽を聴き始めていたので、ドイツの影響もあるかもしれないです。単調であんまり動きがない感じだけど、急にぶっ壊していく感じとか、影響を受けてるかもですね。 ―この曲は千代谷さんのデモからバンドで合わせる過程で、どういう風に発展していったんですか? 千代谷:「もう我慢ならんぞ~!!!!!!!!!!!!」って叫ぶ前半部分までは完全にデモで出来上がっていて、そっくりそのまま演奏にトレースした感じです。デモではそこで止まってました。 鈴木:その後は僕ですね。そのときはドラムから組み立てました。スタジオに入る2時間前ぐらいに、僕がガガガガってGarageBandをいじって「こうしよう」って提案して。 ヤナガワ:ただ、やってみたら難しくて変拍子が取れなくて。 千代谷:(曲の尺を)もうちょい長くする予定だったよね。でも構成が思いつかなくて。 ―むしろ短いからこそ良かったかもしれないですよね。 ヤナガワ:「歌をもう一周する?」って話も出てたんですけど、そうなってたら(反応も)変わってたかもしれないですね。 ―あのジャケット写真はどこで撮ったんですか? 千代谷:あれは高校2年生のとき、見学旅行先の大阪のホテルで、カメラが好きな写真部の友人に撮ってもらいました。なんかテンション上がって、シャワー上がりに「写真撮ってくれ」って呼び出したんです。それで「フラッシュを炊いたら残像が出るんじゃないか」って話になって、部屋を真っ暗にして俺が動いたんです。でも、フラッシュが炊けてなくて、こんなんなってたっていう(笑)。それがずっと写真フォルダにあったんですけど、これをジャケットに使ったら面白いんじゃないかっていうことで決まりました。 ―歌詞はひたすら爆発している感じですが、どんなことを歌おうと思ったんですか? 千代谷:完全に文字感とかを意識しただけなので、あまり意味はないんですけど……。 ―「テクノ聴きながら歩いてくのーー!」ですもんね、あくまで語感重視。 千代谷:そうですね、面白れえなと思って。歌ったら耳馴染みいいかなと思っただけなんですけど。意図せず「高校生の心情を爆発させた」みたいなものになっていて、カッチリ合ってんじゃんと思って。 ―フラストレーションみたいなものが溜まっていたわけではない? 千代谷:いや、溜まってましたね。実際、溜まってたんですけど……自然と出たのかな? ヤナガワ:歌詞に起こしたくて起こしたわけではないってこと? 千代谷:そうだね。なんだろう……勉強とかで行き詰まってたのかもしれないです。それが自然と出たのかもしれない。